長野パラの舞台で迎えたミラノ“前哨戦” 若きエースとレジェンドが語る手応えと課題

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新田「ここでも勝ち切れないのか、という悔しさはある」

新田は2種目とも優勝に届かず(写真は2022年北京パラリンピックのもの) 【Photo by Wang He/Getty Images for International Paralympic Committee】

 一方、スプリントと10kmクラシカルでともに準優勝となった新田は、結果を冷静に受け止めつつも、率直な悔しさをにじませた。

「スプリントにおいて川除選手が予選・準決勝・決勝を見据えて組み立ててきた。その点で自分の力が及ばなかったかなと思います」

 平地が多い今大会のコースは比較的有利と分析していた新田は、グリップワックスをやや弱めに設定。「上りの2カ所で回転数を上げて走ればいいと気持ちを切り替えて、平地でアドバンテージを取られる部分を消せたのは収穫だった」と語る。

 ただ、決勝ではダブルポール(※中腰となり、ポールを力強く後方に繰り返し押す動き)のタイミングが合わず、最後まで詰め切れなかった。

「80点から90点くらいの出来だとは思います。でも、予選トップだっただけに、勝ち切りたかった思いは強いですね」

ミラノに向けた2人の手応えと課題

 川除も新田も、全日本で得た手応えと課題を胸に、ミラノ・パラリンピックへ向かう。

 川除は10kmクラシカルの後半やスプリント後の流れで感じた成長を、前向きに捉える。

「スプリントの翌日に10kmクラシカルを走っても調子が落ちなかった。スプリントが良い刺激になって10kmクラシカルに臨めるんだなとわかってよかった。本番でも同じ流れを作りたい」

 一方で、課題も冷静に整理している。

「スプリントでの登りから平地へのつなぎを、もう少し強化したい。10kmクラシカルでは根本的にもっと速く走りたい。調子自体は良いけど、つなぎの部分であったり、下りの部分であったり、苦手なところを残された時間で改善してさらに突き詰めていきたい」

 さらに、ロシア選手をはじめとする海外強豪との対戦も見据えている。

「4年前に比べると、差はかなり縮まっている。10kmクラシカルではまだ勝負していない相手もいるので、勝ち目はあると思っている」

 気持ちはもうミラノへ飛んでいる。川除は囲み取材直後からタブレッドで既に自分の滑りを動画で見返していた。

 一方、新田はパラリンピック8大会連続出場に向け、競技の楽しさと勝負への思いを重ねる。

「海外を含めても8大会連続出場している選手はいない。その中でパラリンピックの醍醐味や楽しさを感じられているのは幸せなこと」

 白馬では川除の後塵を拝したが、それでもミラノの目標は揺るがない。

「自分は表彰台を目指してやっている。その目標は変えずに頑張っていきたい」

 若きエースとレジェンドが、それぞれ白馬で得た手応えと課題を胸に準備を進める。まさに、ミラノの“前哨戦”だった。練習で培った自信、レースで得た課題、そして応援の力も確かな手応えとして残した大会となったはずだ。

(取材・文:太田奈々海/スポーツナビ)

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