スノボ女子ビッグエア決勝は「12分の4」が日本勢に 常連組、初出場組それぞれにあった“共通点”
女子の予選は1080(3回転)が基準となっていた。さらに、1260(3回転半)を決めた選手たちが上位に並んだ。
予選を終え、明日の決勝に向けて4選手全員の声を聞くことができた。そこから浮かび上がったのは、ある“共通点”だった。
初出場組は「緊張」を乗り越える
村瀬:「フロントサイド(FS)1260はたぶん大会で初めて出した。このキッカーではFS1260が自分にすごく合っていて、大会で出せたことが良かった」
岩渕:「今までキャブ(CAB)1080は大会で出したことなかった。公開練習で3方向トライして、一番感覚の良かったCABとバックサイド(BS)を予選で出した」
五輪の舞台で“初トライ”を選択し、しかも成功させる。安全策に寄りがちな場面で一段階上げてくる強靭なメンタルには、あらためて驚かされる。
一方で、五輪初出場となる深田茉莉と鈴木萌々は、緊張によって「普段なら失敗しない技」で失敗し、動揺があったという。
深田:「BSダブルコーク1080は何度も練習してきた技で。練習では一度も転んでないんですが、緊張感で失敗してしまった」「決勝では1本目から決めていきたい」
鈴木:「すごく緊張していて、得意なFS1080で失敗するとは思っていなくて。不安な気持ちになった」
鈴木は2本目のFS1080で着地に失敗し、頭を強打。ヘルメットが割れてしまったという。そんな状況でも3本目はしっかりとFS1080を決め、8位で予選を通過した。
「2本目を失敗して、3本目を成功するというのはこれまであまりなかったので、ちょっと自信がついた」と話す。
“五輪常連組”と“初出場組”。経験があるからこそ踏み込める一本もあれば、初めてだからこそ、のまれそうになる空気もある。
常連組の2人は決勝にどう臨む?
村瀬:「今日の3本目は1260じゃなくて、1440を狙っていた。決勝では1440が出てくると思うので、人のことは考えずに自分だけに集中して挑みたい」
岩渕:「とにかく自分の調子を整えることに集中する。決勝の技は、“3本”はまだ決まっていない」
予選からさらに技の難易度が上がりそうな決勝。村瀬が見据える1440、そして岩渕が示唆した「まだ決まっていない」3本の構成。その言葉の裏にある選択肢の多さこそ、勝負どころでの強みとなる。
明日、リビーニョの空にどんな放物線が描かれるのか――。日本勢4人が揃った決勝は、世界最高峰の技の勝負であり、同時に極限のプレッシャーを制する“心の勝負”にもなりそうだ。
(取材:岩垂かれん/スポーツナビ)
※編集注
スノーボードの回転は4方向あり、ビッグエアでは回転方向の異なる2種類の技の合計得点で競い合う
・フロントサイド(FS):進行方向に対して腹側にまわすスピン
・バックサイド(BS):進行方向に対して背中側に回すスピン
・キャブ(CAB):スイッチスタンス(逆の足が前)からフロントサイドへスピン
・スイッチバックサイド(SB):スイッチスタンス(逆の足が前)からバックサイドへスピン
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