日本女子カーリングの3大会連続のメダルは? 世界ランク1位チームを擁するカナダのスポーツライターが展望
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五輪初出場の吉村だが、国際経験は豊富
カーリング自体は非常にシンプルなスポーツである。氷上を滑らせたストーンを、いかにして3つの同心円で構成される「ハウス」と呼ばれる目標エリアの中心に近い位置に置くかを競うゲームだ。
しかし、そのシンプルさとは裏腹に、実際の試合は極めて奥が深い。相手のストーンを弾くか、自分たちのストーンを守るか。戦略、技術、心理戦が複雑に絡み合い、1投ごとの判断が勝敗を左右する。
ミラノ・コルティナ五輪で、日本の女子カーリング代表を率いるのはスキップ(主将)の吉村紗也香だ。チーム名は「フォルティウス」。メンバーは小野寺佳歩(サード)、小谷優奈(セカンド)、近江谷杏菜(リード)、そしてリザーブの小林未奈で構成されている。
北海道北見市出身で、1月30日で34歳になった吉村は今回が初の五輪出場となるが、世界選手権にはこれまで3度、日本代表として出場しており、国際舞台での経験は豊富だ。ちなみに36歳の近江谷は2010年のバンクーバー五輪を、34歳の小野寺は14年のソチ五輪を経験している。
フォルティウスは昨年9月、2018年平昌五輪で銅メダル、22年北京五輪で銀メダルを獲得した強豪ロコ・ソラーレ、そしてSC軽井沢クラブとの三つ巴の戦いとなった日本代表決定戦を制した。まず予選ラウンドのタイブレークでロコ・ソラーレを退けると、決定戦ではスキッパー上野美優率いるSC軽井沢クラブを最終エンドまでもつれ込む接戦の末に撃破。その劇的な勝利は日本カーリング界に強いインパクトを残している。
ただし、五輪出場への道のりはそこで終わらない。12月にはカナダ・ブリティッシュコロンビア州ケロウナで行われた最終予選に出場。そこでフォルティウスはプレーオフでノルウェーを6-5の僅差で破り、ついにイタリア行きの切符を手に入れたのだ。試合後、ストリーミング配信チャンネル『ロックチャンネル』のインタビューに応じた吉村は、悲願の五輪出場に「感情が爆発しています」とストレートに喜びを表現している。
グランドスラムで日本の3チームが4強入り
カーリングが冬季五輪の正式競技となったのは、1998年の長野大会からだ。以降、日本国内でも注目度が徐々に高まり、競技人口が増加。それに伴い、日本女子カーリングは世界のトップレベルと肩を並べる存在へと急激な成長を遂げてきた。
その過程に二度の五輪でのメダル獲得があったのは言うまでもないが、近年の日本のレベル向上を裏付ける象徴的な出来事が、昨年12月にもあった。
カナダ・サスカトゥーンで行われた2025-26シーズンのグランドスラム第4戦、「カナディアン・オープン」で、準決勝に進出した4チームのうち、実に3チームが日本勢だったのだ。
カーリングのグランドスラムは、五輪や世界選手権のように「1カ国1チーム」という制限がなく、同一国から複数のチームが参加できる。そのため、実質的に世界で最もハイレベルな大会と位置付けられている。
その舞台で藤澤五月が率いるロコ・ソラーレ、田畑百葉が率いる北海道銀行、そして吉村のフォルティウスがそろってベスト4に名を連ねたことで、あらためて日本女子カーリング界の層の厚さを世界に示している。
「日本の女子カーリングは今も非常に高いレベルにある。モチベーションが高く、トップレベルで戦っている選手が本当に多い」
そう語るのは、ロコ・ソラーレのカナダ人ヘッドコーチ、J・D・リンドである。ただし、日本女子チームの3大会連続のメダル獲得は、当然ながら簡単なミッションではない。