辞退もあり「半数以下」しか選出されず バドミントン新U24代表は選手にメリットを提示できるのか?

平野貴也

2026年日本代表発表の記者会見でU24代表新設の経緯を説明する池田本部長(左) 【平野貴也】

 最大32名の枠に対して、半数以下の14名。日本バドミントン協会は、新設したU24ナショナルチーム(以下、U24代表と記す)のメンバーを1月29日に発表したが、明らかに人数が少ない。男子ダブルスは1組のみ。ミックスダブルスは1組も選出されなかった。

 U24代表は、課題である若手育成を目的に強化合宿や海外遠征を行う方針だ。しかし、各選手の所属先の方針等との兼ね合いで難しかったケースがある。池田信太郎強化戦略本部長はダブルスの選出について「高校、大学を卒業する年齢は、ペアの選出が非常に難しいところ。我々としては選出したい意向がある中、卒業するタイミングでペアが変わってしまう現状が、かなり多く、ケースとしてあった。今回が初めてのトライで、ペアの選考は、なかなかフィットしなかった」と述べる。

 選出された選手は、出場すべき大会のグレードが異なる。適切な運用方法を探る試行錯誤が続きそうだ。次世代強化の新たな取り組みの現況を考察する。

U24新設の背景に、A・B代表制度の課題

 まず、U24代表が新設される背景には、24年まで約10年にわたって運用したA・B代表制度の課題が存在する。

 日本代表は2014年からA、Bの2カテゴリー制で選手を選出していた。若手がB代表に選出され、実績を挙げてA代表に昇格する流れだった。しかし、次第にB代表の停滞が顕著になり、世代交代の流れが止まった。

 代表選考を兼ねた全日本総合選手権のシード順は、日本ランキングで決まるのだが、2000年から日本ランクに国際大会の成績も反映。日本が強国に成長すると、ハイグレードな国際大会の出場が日常になった。

 25年に本格的に解禁されるまで、日本代表に入っていなければ国際大会の出場は限定されていた。日本代表であれば、国際大会で好成績とはいかなくても、実力に大差がない国内選手より世界ランクのポイントが高く、全日本総合選手権で良いシードを保てる。その状況が、新陳代謝を阻む大きな要因となった。

 トップ選手の競技生活の長期化、コロナ禍で下位カテゴリーの国際大会の再開が遅れたこによる若手の成長機会減少も影響し、日本代表は高齢化。強いベテランが増えるのは歓迎だが、次世代がトップレベルを経験する時期が遅れ始めた。日本協会は、改善策として、まず25年の代表選出でB代表を廃止。今季は、トップグループの代表選手を減らし、U24代表を新設した。

U24代表にも辞退者、5月の国内大会などで代表追加か

 日本協会が若手育成に乗り出すこと自体に反対の声はない。では、なぜ選出選手数が少なかったのか。冒頭で紹介した池田本部長のコメントから推察できるとおり、選出にあたって、選手サイドと折り合いをつける難しさがあったようだ。

 まず、U24新設の発表が25年11月と遅かったことが一つの要因にある。想定せずに各チームが動いており、ダブルスでは、実業団のルーキーが対象年齢同士でペアを組まず、ベテラン・中堅選手とルーキーで組んでいるケースが少なくない。また、高校や大学を卒業し、実業団に進んだら、チーム内で新たなパートナーと組むなど、ペア替えが想定されているケースがあり、選出辞退者もいた。U24の活動開始は、4月。今後、5月の日本ランキングサーキットなどで対象年齢の選手同士のペアで活動の意思があり、結果や可能性が認められた場合に追加される流れとなりそうだ。

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著者プロフィール

1979年生まれ。東京都出身。専修大学卒業後、スポーツ総合サイト「スポーツナビ」の編集記者を経て2008年からフリーライターとなる。主に育成年代のサッカーを取材。2009年からJリーグの大宮アルディージャでオフィシャルライターを務めている。

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