レバンガの快進撃はどこまで続くか? B1東地区首位でも、まだ残る「伸びしろ」
B1のレギュラーシーズンは合計60試合。レバンガはB1過去9シーズンの最高成績が26勝34敗(2017-18シーズン)なのだが、今季は34試合目で「過去最高勝利数」に届いた。勝率が過去に一度も5割に届いていない、チャンピオンシップ(CS)に一度も出場していないクラブが、劇的な躍進を遂げている。
チームが一新し、大物も加入した今季
さらに補強で「目玉選手」を迎え入れた。新加入の富永啓生は日本代表のシューティングガードで、ネブラスカ大を卒業後はNBA Gリーグ「インディアナ・マッドアンツ」で1年プレーしていた。この2月1月に25歳を迎えた天才シューターを、レバンガは4年契約で抑えている。富永はここまで1試合平均18.9得点を記録。これはB1全体の5番目となる好成績で、日本人選手のトップだ。
もう一人の目玉はジャリル・オカフォー。2015年のNBAドラフトでは全体3位の指名を受けたビッグマンだ。
オカフォーは「2000年代のNBAならば無双していた」と惜しまれることもある純センター。211センチ・122キロのサイズを持ちながら、ターンやステップが滑らかで、ハンドリングも素晴らしい。3ポイントシュートが弱みで、そこが「2020年代のNBA」と合わなかった理由なのだが、ゴール直下からのフィニッシュは別格といっていい。
さらにトーステン・ロイブルヘッドコーチ(HC)が今季からチームに復帰している。レバンガ初年度の2011-12シーズンに指揮を取り、その後はアンダー世代の日本代表で八村塁、富永ら「未来のアカツキジャパン」を指導してきた名将だ。
2025-26シーズンは在籍4シーズン目でアジア枠のドワイト・ラモスが残り、島谷怜、関野剛平、菊地広人、内藤耀悠ら道産子勢も健在。となると戦力の「足し算」は間違いなく大幅なプラスだった。
一方で外国籍がすべて入れ替わり、エースも新加入となると、変化の幅が大きすぎる。つまり不確定要素も少なからずあった。それでもレバンガは高い期待の「さらに上」を行く戦いをここまで見せている。
インサイド重視のスタイル
チームの副キャプテン、ポイントガードの島谷はこう説明する。
「富永がいることでペイント(=ゴール下の制限エリア)が空きやすいのも一つありますし、オカフォーだったり、ジョン・ハーラーだったり、ペイントを支配できる選手がいます。あとシンプルに、全員が意識をまずペイントに向けています。ビッグマンだけでなくて、ガード陣のアタックもペイントの割合が多いはずです。相手が完全に寄ってきたらキックアウトのオプションもありますけど、基本的には『まずペイントをしっかり攻めよう、支配しよう』というコンセプトだと思います」
ラモスは昨季からの変化をこう口にする。
「昨シーズンから自分とともにプレーしている選手たちも含めて成長して、自信を持ってみんなプレーできています。加えてそこにスター選手が何人か入っても、チームとしてのケミストリーは非常にいいです。スター選手を集めてもボールは一個なので、ボールが回らないといった課題がチームよってはあるかもしれませんが、自分たちはチームとしてプレーできている。それがこの結果につながっていると思います」
オカフォーは個で打開できるタイプだが、無理をせず、仲間を信頼してボールを捌くマインドが強い。今季ここまで1試合平均15.7得点だが、それ以上に「フィールドゴール成功率64.6%」という効率の良さが目を引く。
開幕直後の11月に取材したときはロイブルHCが彼に「もっとセルフィッシュ(自分本位)にプレーするように伝えている」とコメントしていたほどで、ボールを独り占めしない。例えば相手が2人寄ってきたらフリーの仲間にパスを送り、確率の低いシュートを無理に打たない。オカフォーのそんな姿勢もあり、今季のレバンガは強力な個を擁しつつ、いいバランスでプレーできている。