バドミントン日本代表、辞退者が相次ぐ背景とは? あえて「自費遠征」を選ぶ選手も
男子複の山下/緑川は組み替え示唆、日本代表だけでは決められないペアリング
2024年夏のパリ五輪後、日本代表主力の引退や種目転向によるペアの組み替えが活発になっている。緑川は、2025年の日本代表に2種目で選出されていたが、全日本総合選手権から混合ダブルスのパートナーを変更。パリ五輪の女子ダブルスで銅メダルを獲得した松山奈未(再春館製薬所)との新しいペアで活動を始めており、1種目に専念する可能性もある。
日本代表の意思でペアを編成できない環境について、大堀ヘッドコーチは「日本代表チームだけですべてを決めて動かすことはできない仕組み。所属企業、所属チームがあり、選手たちがそこから吸い上げられて代表チームになる流れ。ペアリングについては、所属と共通理解を図る作業はできますけど、100%の主導権を握ってのコントロールは、できない。歯がゆさがないかと言われればゼロではないですが、企業、選手と話し合いながら進めていかなければいけない」と話した。日本代表でありながら、選ばなかったのではなく、選べなかった事情が存在している。
問われる、日本代表の存在意義とマネジメント能力
辞退者が増えれば、日本代表は存在意義を問われる。池田本部長は「海外で自由に活動したい選手に対して、何ができるか考えていかなければ。我々としてもパートナー企業で支えられている。企業に対しても、どういう提供価値ができるか、同時に考えなければいけない。選手、パートナー企業、協会の最適な着地点を一生懸命探さないといけない」と問題意識を示した。大堀ヘッドコーチは、渡辺の代表辞退に「私の立場からすると、やはり一緒にやりたい。これは、間違いなく根底にあります」と本音を吐露。山下/緑川についても「全日本総合で2連覇。年明けの(国際)大会でも決勝まで(進み)パフォーマンスも上がっている。本当に今が旬くらいのペア」と選出できなかった思いをにじませた。
前任の朴HCが強化を始めた約20年前に比べれば、はるかに恵まれた戦力を有している。しかし、時代背景の変化により、当時はなかった新たな問題を抱えている。さらに言えば、次世代の強化が遅れており、積極的な若手の引き上げ策も必要としている。大堀HCが就任時に掲げた目標は、ロス五輪で過去最多3個のメダル獲得。代表チームでの一元化した強化が難しくなる中、選手やチームとのバランスを取ったかじ取りで目標を達成できるか。日本代表は、マネジメント能力が問われている。