「ピカチュウはケガをしない?」 なぜポケモンがメジャーリーガーらを魅了するのか
MLBに広がるポケモンネットワーク
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「ポケモンの本社に行ったんだって? 俺も行きたかった」
タイヨンも大のポケモンファンだという。
「ベン・ブラウンと一緒に秋葉原へポケモンカードを買いに行ったんだ。でも、SNSにバンダたちが本社に行った様子が流れてきて、そっちに行きたかったなって、話していたんだ(笑)」
彼らがポケモンファンだというのは、日本にいる時点では知る由もなかったが、やがて、MLBにはポケモンネットワークのようなものがあって、誰々と誰々が集めている、という話が入ってくるようになった。
いかついメジャーリーガーが、ポケモンに夢中になるイメージのギャップ。昨シーズン、そんな彼らと折に触れて接し、その一端をうかがい知ることができた。
元々、メジャーリーガーにポケモンファンが多いという話を教えてくれたのは、ブレーブスのピアース・ジョンソン(このオフ、レッズに移籍)とディラン・リーだ。それは一昨年の半ばまでさかのぼるが、昨年5月、ドジャースの遠征に帯同してアトランタへ行ったとき、2人は口をそろえた。
「一番のコレクターは、クリス・セール。俺たちの比じゃない」
セールのことは、タイヨンからも聞いていた。
「Dバックスのジョーダン・モンゴメリー(2025年7月にブリュワーズに移籍)もポケモンが大好きで、彼が『セールの熱量は、半端ではない』と言っていた」
そのセールとも5月の遠征期間中に話をすることができた。
「これを知ってるか?」
見せられたのは、ポケモンとSuicaのコラボカード。初めて見た。
「どうしたの?」と聞くと、「彼にもらった」。その視線の先にセールがいて、ちょうどこちらに向かって歩いてくるところだった。
セールももらったらしいが、こちらを見ながら会話の内容を察したのか、苦笑している。
「こんなのに夢中になるなんて、俺たち、ヤバイだろ? ちょっと問題を抱えている」
そのままセールについて行くと、ロッカーの前に山積みになっている専用のカードケースの中から、いくつか珍しいカードを見せてくれた。バインダーではなく、すべてマグネットローダーに収められていて、カードの解説が始まると、他の選手が集まってきた。
「何か新しいカードを手に入れたのか?」
それまでセールは、あまりメディアと話すタイプの選手ではない、という印象だった。いつ行っても、クラブハウスにはいない。あまりインタビュー映像も見たことがない。ところがこのときは、話が止まらなかった。それぞれのカードのうんちく。なぜ、価値があるのか。どう珍しいのか。
聞けば、ポケモンカードを集め始めてから「まだ、3年ぐらい」だという。
「それまで興味がなかったけど、弟が好きで、あと、息子が興味を持ち始めた。それで少し買い始めたら、止まらなくなった。いまでは、フロリダの自宅に専用の部屋がある」
その部屋の映像も見せてくれた。壁一面にゴールドカードが輝いていた。
「なっ? 俺たちヤバイだろ」