世界は侍ジャパンをどう見ているのか――連覇を阻むプールC・Dのキーマンたち

WBCの4番は村上宗隆?大谷翔平の打順は1番? 井口資仁が侍ジャパンの戦いを◯か✕か大予想【野手編】

前田恵

打者・大谷翔平がWBCでどんな伝説を残すのか、ファンの期待が高まる 【Photo by Mary DeCicco/WBCI/MLB Photos via Getty Images】

 WBC開幕まであと1カ月。史上最強の布陣と呼び声高い侍ジャパンに、連覇への期待が高まる。今回、日米の野球を知り尽くす井口資仁氏に直撃質問をぶつけた。ルールは、ファンも気になる核心に迫るお題に、△なしの○か×で答えなければならないというものだ。元MLBプレーヤーにして元監督という二つの視点から、忖度なしで導き出された「世界制覇への最適解」とは? 短期決戦を勝ち抜くためのリアルな意見を語ってもらった。前編の投手編に続き、後編の今回は野手編をお届けする。

打者・大谷翔平は1番が適任だ

ファンが気になる大谷翔平の打順は? 井口氏の見解を聞いた 【撮影:和田八束】

井口氏の予想「○」

――「侍ジャパンの1番」には、やはり大谷翔平選手(ドジャース)が適任でしょうか?

 「チームに流れを持ってくる」意味でも、適任でしょう。MLB組を上位に並べると、走れる選手がいなくなってしまう。それを考えても出塁率が高く、走れる大谷選手が、より多く打席が回ってくる1番を打つのがベストだと思います。

大谷翔平は二刀流ではなく「打者」に専念したほうがチームは勝てる

井口氏の予想「×」

――大谷翔平選手の二刀流続行に関しては、今なお賛否両論があります。今回のWBC、大谷選手は打者に専念したほうがチームは勝てると思いますか?

 そんなことはないと思います。実際問題としてMLBのシーズンも控えていますから、大谷選手が今季もドジャースで投手として登板するのであれば、3月初めには投球を始めておかなければなりません。1イニングでも2イニングでも試合の中で打者に投げておかないと、開幕に間に合わない。球数など、ある程度の制限はかかるでしょうが、マウンドには上がるはず。投手としても山本由伸選手(ドジャース)と肩を並べる存在の選手ですから、侍ジャパンの投手陣にいるだけでもまったく違います。

――井口さんはワールドシリーズで、大谷選手に実際会って取材なさっていますね。二刀流でシーズンを最後まで走り抜いた、疲れのようなものは大谷選手から感じませんでしたか?

 そんな様子はまったく見られませんでしたよ。とにかく(シリーズを)楽しんでいました。あれだけ成績を残せば、楽しくてしかたないでしょうね。

侍ジャパンの4番は「村上宗隆」である

前回大会では侍ジャパンの4番を任された村上宗隆だが、今回は? 【Photo by Gene Wang/Getty Images】

井口氏の予想「×」

――侍ジャパンの打順は、考えるだけでも楽しいメンバー揃いです。村上宗隆選手(ホワイトソックス)に4番を任せるのはいかがでしょうか。

 打順の流れでどうなるか、なんですが。僕は鈴木誠也選手(カブス)、もし追加の1人として選ばれるのであれば吉田正尚選手(レッドソックス)あたりがいいかなと思っています。というのも、前述した通りMLB組を上から並べると、走れる選手が上位にいなくなる。打線をもう少し後ろまでうまくつなげるのなら、村上選手、岡本和真選手(ブルージェイズ)は5番、6番に置いたほうがいいのではないでしょうか。

――こうした大会で、打順は固定したほうがいいと思いますか?

 短期決戦ですから、当然調子のいい選手をうまく使っていったほうがいいのですが。スタメンは攻撃的にいって、得点ができれば中盤以降守りに入るという展開が理想でしょうから、相手によっては打順も変えていくと思います。

――「侍ジャパンの4番」という存在を、ことさら不可侵なシンボルといいますか、1つのアイコン的に考えて固定する必要はない?

 そういう概念は、みんなまったくないと思いますよ。とにかく勝つために、チームのために、と考えてプレーするでしょう。選手もそうですし、打順を作る側も、それを念頭に考えていくと思います。

佐藤輝明をスタメンで使うならサードよりも「外野(ライト)」が良い

村上宗隆、岡本和真とサードを守れる選手が揃うなか、佐藤輝明のポジションは? 【Photo by Gene Wang/Getty Images】

井口氏の予想「×」

――佐藤輝明選手(阪神)をスターティング・メンバーとして考えた場合、サードではなく外野に置いたほうがいいと思いますか?

 これは監督が外野手をどう回すか、代打陣をどう考えるかにもよるとは思います。例えば攻撃的な布陣を組むなら、近藤(健介/ソフトバンク)選手はスタメンに置きたいけれども、「ここぞの場面での近藤」という代打も必要です。ただ佐藤選手は昨年、ずっと阪神でサードを守っていましたから、WBCでいきなり外野を守るのはどうでしょうね。何かがあったときに外野を守る、保険として考えることはあっても、最初から外野というのはあまり考えないほうがいいと僕は思います。

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著者プロフィール

1963年、兵庫県神戸市生まれ。上智大学在学中の85、86年、川崎球場でグラウンドガールを務める。卒業後、ベースボール・マガジン社で野球誌編集記者。91年シーズン限りで退社し、フリーライターに。野球、サッカーなど各種スポーツのほか、旅行、教育、犬関係も執筆。著書に『母たちのプロ野球』(中央公論新社)、『野球酒場』(ベースボール・マガジン社)ほか。編集協力に野村克也著『野村克也からの手紙』(ベースボール・マガジン社)ほか。豪州プロ野球リーグABLの取材歴は20年を超え、昨季よりABL公認でABL Japan公式サイト(http://abl-japan.com)を運営中。

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