「パパの愛情不足」、子どもに与える影響は?精神科医が解説

MELOS -メロス-
幼い頃に父親からの愛情を感じられなかった、あるいは尊敬できる存在として見ることができなかった場合、その影響は大人になってからもじわじわと表れます。

子どもの成長発達にくわしい臨床心理士、公認心理師で一般社団法人マミリア代表理事の鎌田怜那さん監修の記事より、「父親の愛情が不足したまま育った大人」について、男女別でお届けします。

【MELOS】

男性の場合、とくに「自己肯定感」と「男性としてのアイデンティティ」で影響が出やすい

男性の場合は「自分はどういう存在か」「どういう男でいたいか」という自己像の形成において、父親との関係が非常に深く関与しており、それが揺らぐとさまざまな面に不安定さが生まれやすいと考えられます。

とくに顕著なのが、「男らしさ」や「リーダーシップ」といった社会的に求められる男性像に対する強いプレッシャーです。

男性にとって父親は、自分が「どんな男になりたいか」を無意識に学ぶ“モデル”のような存在です。その父親から十分な愛情や関心、承認を得られなかった場合、「自分には価値がない」「男としてダメなんじゃないか」という深い自己否定感を抱きやすくなります。

その結果、社会的な場面で自信を持てず、必要以上に他人の評価に依存する、逆に虚勢を張って“強い男”を演じてしまうこともあります。

また、感情をうまく表現できない、人に弱みを見せることが怖いと感じる男性も多くいます。それは、幼い頃に感情を受け止めてもらえなかった経験が根っこにあることも少なくありません。

結果として、パートナーシップや友人関係でも、どこか壁を作ってしまう、深い関係を築くのが苦手になる場合があります。

女性の場合、とくに「恋愛面」で影響が出やすい

父親という存在は、特に女の子にとって「初めて関わる異性」「安心して甘えられる男性モデル」としての役割を担っています。

父親からの無条件の愛情や承認を受け取れていないと、大人になってから男性との信頼関係の築き方や、愛されているという実感をうまく受け取れないケースも。

たとえば、相手に依存しすぎる、愛情を試すような行動をとってしまう、逆に男性を信用できず距離を取りすぎる、といったパターンが代表的です。自己肯定感の低さも相まって、「愛される価値がないのでは」「見捨てられるかも」といった不安がつきまとい、恋愛が不安定になりやすいのです。

ただ、影響が出るのは恋愛だけではありません。先述の通り「他人との距離感」「自分の感情の扱い方」「ストレス耐性」などに影響が出る人も少なくありません。
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