【補強診断】パ・リーグ編 積極補強を見せた西武、エースがライバル球団へ移籍したソフトバンクの評価は?

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有原航平の日ハム復帰はパ・リーグの勢力図を変え得る移籍 【写真は共同】

 いよいよキャンプインを迎え、新たなシーズンがスタートするプロ野球。昨秋のドラフトや外国人選手などを中心に進めていた各チームの新戦力補強も一段落したといって良いだろう。このコラムではここまでの戦力補強を球団ごとに振り返り、それぞれの内を評価していきたい。

 なお評価については、A~Dの4段階で行った。国内移籍は選手の総合的な貢献度を測る指標であるWARをもとに、ドラフトで入団したルーキーや新外国人選手はチーム状況に対して適切な補強だったかを鑑みて、総合評価としている。

※内容は2026年1月22日時点の情報をもとに執筆
※新外国人選手の成績は「Baseball Savant」より一部引用

ロッテ 評価C

【画像提供:データスタジアム】

 昨季は8年ぶりのリーグ最下位に沈み、2026年シーズンからはサブロー新監督に再建を託す形となったロッテ。オフに石川歩、澤村拓一、荻野貴司といった実績のある面々が退団となった中、チームは投手力強化に重きを置いた補強を見せた。

 新外国人に目を向けると、昨季DeNAで10勝を挙げたジャクソンが入団。来日から2年連続で規定投球回をクリア、防御率2点台をマークしている助っ人右腕は、ローテーションの軸として心強い存在となってくれるだろう。メジャーからは、いずれも左腕のカスティーヨとロングを獲得。198センチの長身を誇るカスティーヨは昨季メジャー4球団でプレーし、計29試合で救援登板。ロングは21年にメジャーデビューを果たし、MLB通算162試合に登板した実績を誇る技巧派だ。両投手ともにリリーフでの起用が想定されており、昨季リーグワーストの救援防御率3.82に終わったブルペン陣を支える働きが期待される。

 また、昨年のドラフトでは1位で石垣元気、3位で奥村頼人とセンバツ優勝経験を持つ高校生投手の獲得に成功し、2位では昨年の日米大学野球で最優秀投手賞に選ばれた毛利海大を指名。即戦力から未来のエース候補まで、将来が楽しみな顔ぶれを集めた。

 一方の野手陣を見てみると、昨季はルーキーの西川史礁が新人王に輝き、高卒2年目の寺地隆成が台頭したものの、全体では選手層の薄さに課題を残した。そこで今オフは、現役ドラフトで阪神から井上広大を獲得。二軍では6年間で通算48本塁打をマークするなど、非凡な長打力には定評がある。山本大斗や山口航輝ら主軸候補に、より一層激しい競争を促す存在として期待される選手だ。

 しかし、それ以外には目立った野手補強の動きはなく、ポランコや今季から外国人枠を外れるソトが残留したことを踏まえると、今季も現有戦力を中心とした戦いが基本線となるだろう。昨秋のキャンプから選手に猛練習を課すサブロー監督の方針にも表れているように、既存選手のさらなる成長がチーム力向上には欠かせない。

西武 評価A

【画像提供:データスタジアム】

 昨季は3年連続のBクラスとなる5位にとどまった西武。オフにエース・今井達也のメジャー移籍が決まり、上位進出に向けて補強が不可欠な状況となった中、先発候補として新助っ人のワイナンスを獲得。昨季は3Aで12勝1敗、防御率1.63の好成績を残した技巧派右腕で、奪三振率9.51と三振を奪う能力にも長けているのが特徴だ。来日1年目からローテーションの一角を担い、エース流出により手薄となった先発陣を支える働きが期待される。

 また、ドラフトで2位指名した中央大の岩城颯空は、西口文也監督がリリーフでの起用を明言。昨季のセーブ王である平良海馬が先発再転向予定となっており、アピール次第では一軍ブルペン陣の重要な役割を担う可能性があるだろう。さらに、育成契約で加入したアンダーハンドの高橋礼は先発、救援どちらも経験があり、実力を発揮できればチームに厚みを加える存在だ。

 一方の野手では、昨季リーグ最少得点に終わった攻撃力を改善すべく、複数のポジションで積極的な補強を敢行。まずドラフトで強打の大学生キャッチャー・小島大河を1位で指名すると、内野では日本ハムの二塁手・石井一成をFAで獲得。昨季の二遊間は堅守が持ち味の滝澤夏央、源田壮亮が中心となっていたが、バッティングが持ち味の石井が加入することで戦略の幅を広げることにもつながるだろう。

 また、昨季ルーキーながら攻守に存在感を示した渡部聖弥がレフトからサードにコンバート予定。外野のポジションが空く形となった中、“ハマのガッツマン”ことDeNAの桑原将志がFA移籍で入団。さらに、24年のプレミア12で台湾代表の4番を務めたスラッガー・林安可も獲得するなど、チーム力アップが大いに期待できる外野手の補強に成功した。既存選手と新戦力がうまく絡み合えば、今季は快進撃を見せるシーズンとなるかもしれない。

楽天 評価B

【画像提供:データスタジアム】

 25年シーズンを4年連続となる4位で終え、今季こそはクライマックスシリーズへと駒を進めたい楽天。今オフ最大のトピックといえば、11年ぶりの日本球界復帰となる前田健太の入団だろう。昨季の楽天は先発防御率がリーグワーストと低迷し、規定投球回到達者がゼロに終わるなど、先発陣の駒不足が浮き彫りとなった。広島時代に2度の沢村賞に輝き、日米通算165勝を誇る前田には、先発陣を支える役割が期待される。

 新助っ人ではコントレラス、ウレーニャも楽しみな存在だ。150キロ超えの速球が武器のコントレラスはまだ26歳と若いが、メジャー通算で95試合に登板した経験を持つ。一方のウレーニャは主に先発でメジャー通算251登板を誇るベテランで、両者ともに先発要員として起用される見込みとなっている。また、ドラフトでは1位で花園大の藤原聡大、2位で早稲田大の伊藤樹と立て続けに大学生投手を指名。長年にわたり投手陣を支え続けてきた則本昂大のFA移籍は痛いが、着実にチームの弱点を補う補強を見せた。

 野手では、DeNAからベテラン捕手の伊藤光をFAで獲得。昨季は一軍では振るわなかったものの、二軍では75試合の出場で打率.309と健在ぶりを示した。通算1063試合出場の経験を誇る伊藤光の加入は、太田光ら20代が中心となっている捕手陣にとって心強いものとなるだろう。内野では、ドラフト3位で指名した中央大の二塁手・繁永晟に注目したい。広角に長打を放てる右打ち内野手という点は大阪桐蔭高の先輩・浅村栄斗と共通しており、1年目から黒川史陽らと激しい競争を展開してほしいところだ。

 外野では、身長2メートル超えのマッカスカーや前ソフトバンクの佐藤直樹を獲得。マッカスカーは昨季3Aで22本塁打をマークしており、ボイトとともに打線の中軸として期待される右の長距離砲だ。現役ドラフトで加入した佐藤は、昨季104試合の出場で5本塁打、10盗塁をマークした成長株。FA権行使の末に残留となった辰己涼介らと定位置争いを繰り広げたい。

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