台湾主将はNPBへ挑む仲間をどう見ている?「弟のような存在」の大砲へ日本ファンへのお願いも!?
本稿では今春のWBCと、日本球界に参戦する台湾人選手について記したい。
大谷翔平との“球縁”
「WBCは世界トップレベルで最高級の大会です。いろいろな選手と対戦できるのを楽しみにしています。特に大谷翔平選手(ドジャース)については、見るだけでも個人的には嬉しいですし、どんな選手なのかなって気になりますね」
実は陳傑憲と大谷は同学年である。同じ2012年に岡山共生高の陳傑憲、花巻東高の大谷はプロ志望届を出している。陳傑憲はNPBドラフトの指名がなく帰台し、社会人の台湾電力を経て統一ライオンズへ。大谷はMLB志望を打ち出すも、日本ハムが指名。複数回の面談を経て入団を決めた。その後の活躍はご承知の通りだ。
ほんの少しだけ交わり、十数年の時を経て再び重なり合う球縁。3月6日の一次ラウンド、東京ドームで初めて2人は対峙する。「憧れの選手に似ているような感じ。機会があれば野球のことを聞いてみたい」と陳傑憲は語るが、グラウンド上では真剣勝負だ。
「『憧れるのをやめましょう』という言葉は知っていますし、私たちにとっても勉強になりました。大谷さんたちをはじめ、日本の選手を憧れという表現が合っているかは分かりませんが、球場では勝負だし、真剣に勝ちたいです」
前回大会は一次ラウンド出場5チーム全てが2勝2敗で並ぶも、失点率の差で準々決勝進出を逃した。今回は初のベスト8以上を見せてくれることに期待したい。
「日本やアメリカ、ラテン系のチームには、私たちが普段テレビで見ている選手がたくさんいます。彼らと対戦することはワクワクしますし、非常に興奮した状況になるでしょう。楽しみながら勝っていく、対戦できることを楽しみながら結果を出していきたいですね」
日本のアニメ、漫画にも造詣のある陳傑憲は、あの超人気作品を引き合いに出してくれた。
「『ONE PIECE』のルフィは、強い相手に会ったときに潜在能力を発揮して、良いパフォーマンスを出します。そういったレベルの高い相手に良いパフォーマンスを出せる感覚を私は持っています」
林安可は「弟のような存在」
まずは西武に入団した林安可(リン・アンコー)。台湾人の父とアルゼンチン人の母を持つ林安可は「混血王子(ハーフの王子)」と呼ばれ、台湾リーグ(CPBL)で類まれなる長打力を発揮してきた。2020年には本塁打王・打点王の二冠に加え、新人王を獲得。昨季も打率.318、23本塁打の成績を残している。
ともに統一ライオンズの外野を守ってきた林安可を陳傑憲はどう見ているのか。
「リーグ全体で見ても非常に優秀なバッターです。日本の野球のレベルは高いので、できる限り早めに日本の投手に慣れて良い成績を出してほしい。真面目でよく練習する選手で、ダメなときも言い訳せずにひたむきに取り組めます。とても安心して見ていられますね」
プライベートではどんな人柄だった?
「遠征のときはルームメイトでした。球場の外に出たら野球の話は全くしないというか、したがらないですね。私にとっては弟のような存在なので電話はしますし、本当にざっくばらんな話をします。困っていることがないか聞いてあげたいですね。技術的なこと、施設的なことで困ったときに連絡して解決していければ」
西武ファンにはどう応援してほしい?
「ホームランを打ったときに『オイ!オイ!』と囃し立ててほしいですね。統一ライオンズではホームランのときに踊らないといけないのですが、彼は恥ずかしがり屋であまり踊ってくれなかったので(笑)」
林安可がホームランを打ったとき、球場がどんな雰囲気になるか楽しみだ。