世界は侍ジャパンをどう見ているのか――連覇を阻むプールC・Dのキーマンたち

侍ジャパンがWBCで警戒すべきプールDの刺客たち MLBタイトル級の猛者が勢揃い

村田洋輔

昨年のワールドシリーズで大谷翔平から本塁打を放ったウラジーミル・ゲレロJr.らが侍投手陣に襲い掛かる 【Photo by Sean M. Haffey/Getty Images】

 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で2大会連続四度目の優勝を狙う侍ジャパンは1次ラウンドのプールCを突破すると、マーリンズの本拠地ローンデポ・パークで行われる準々決勝ではプールDから勝ち上がってきたチームと対戦することになる。プールDは3大会ぶり二度目の優勝を狙うドミニカ共和国のほか、ベネズエラ、オランダ、イスラエル、ニカラグアという顔ぶれ。ここでは現役メジャーリーガーがズラリと並ぶプールDの要注意選手を紹介していこう。

フアン・ソトやゲレロJr.ら超大物が集う最強打線

昨季、盗塁王のタイトルを獲得したフアン・ソト 【Photo by Megan Briggs/Getty Images】

 優勝候補の一角を占めるドミニカ共和国はオールスター級のタレントが揃う豪華メンバーだ。昨季のア・リーグ王者、ブルージェイズの主砲として活躍するウラジーミル・ゲレロJr.を筆頭に、史上最高額の15年7億6500万ドルでメッツに加入し、移籍1年目は盗塁王のタイトルを獲得した天才打者フアン・ソト、ア・リーグMVP争いの常連であるホゼ・ラミレス(ガーディアンズ)、パドレスを牽引するマニー・マチャドとフェルナンド・タティスなど、スーパースターがズラリ。ほかにもマリナーズの看板選手であるフリオ・ロドリゲス、ダイヤモンドバックスの二遊間コンビを担うケテル・マルテとヘラルド・ペルドモ、昨季ア・リーグ3位の45本塁打を放ったフニオール・カミネロ(レイズ)と各チームの主力クラスばかりが並び、唯一の弱点とも言える捕手にも今大会は2023年に23本塁打を放ってア・リーグ新人王投票5位となり、昨季も20本塁打を記録したヤイネル・ディアス(アストロズ)がいる。1番から9番まで、まったく穴のない打線が形成され、いくらハイレベルな侍ジャパンの投手陣といえども、大きな重圧を感じながらのピッチングを強いられるはずだ。

2022年にサイ・ヤング賞を受賞したサンディ・アルカンタラ 【Photo by Megan Briggs/Getty Images】

 投手陣はどれくらいのメンバーが集まるか不透明だが、もしベストメンバーが揃えば、アメリカにも引けを取らない強力投手陣となる。大黒柱は2022年に満票でサイ・ヤング賞を受賞したサンディ・アルカンタラ(マーリンズ)で、トミー・ジョン手術から復帰した昨季は11勝12敗、防御率5.36と低調だったものの、復帰2年目の今季は完全復活が期待されている。昨季ナ・リーグ最多の17勝を挙げたフレディ・ペラルタ(ブリュワーズ)やサイ・ヤング賞投票2位のクリストフェル・サンチェス(フィリーズ)も出場に意欲を示しており、そこにオールスター三度のルイス・カスティーヨ(マリナーズ)あたりが加われば、先発4本柱は大会屈指のクオリティだ。ブルペンは昨季メジャー最多の42セーブを挙げたカルロス・エステベス(ロイヤルズ)、魔球「スプリンカー」を操る剛腕ジョアン・デュラン(フィリーズ)、アストロズの絶対的セットアッパーを担うブライアン・アブレイユらが中心か。打線ばかりが注目されがちなドミニカ共和国だが、投手陣のレベルも非常に高い。

アクーニャらMLBの精鋭が集うベネズエラとカリブの刺客たち

ベネズエラを攻守で牽引するサルバドール・ペレス 【Photo by Scott Marshall/Getty Images】

 初優勝を目指すベネズエラも現役メジャーリーガーがズラリと並ぶタレント軍団だ。ロイヤルズの攻守の要であるサルバドール・ペレスが主将を務め、アストロズの看板選手ホセ・アルテューベと2023年ナ・リーグMVPのロナルド・アクーニャ(ブレーブス)も出場に意欲的。昨季49本塁打のユジニオ・スアレス(マリナーズFA)、ブリュワーズの正捕手ウィリアム・コントレラス、メジャーデビューから2年連続で20本塁打&20盗塁を達成したジャクソン・チョウリオ(ブリュワーズ)、2年連続ゴールドグラブ賞のウィルヤー・アブレイユ(レッドソックス)、メジャー屈指の安打製造機ルイス・アラエス(パドレスFA)とほかにもタレントが揃い、経験豊富なベテランから勢いのある若手まで、充実の布陣となっている。

 投手陣はドミニカ共和国と同様に不透明な部分もあるが、ベストメンバーが揃えば、パブロ・ロペス(ツインズ)、ヘスス・ルサルド(フィリーズ)、ランヘル・スアレス(レッドソックス)が形成する先発3本柱は強力。ブルペンにはフィリーズの剛腕ホセ・アルバラドやカブスの若き守護神ダニエル・パレンシアがおり、昨季ナ・リーグ最多の40セーブを挙げたロベルト・スアレス(ブレーブス)がクローザーに君臨する。ネームバリューではドミニカ共和国にやや劣るものの、確かな実力を持つ選手たちが揃っており、プールDを1位通過する可能性も十分にある。

昨季、ゴールドグラブ賞を受賞したセダン・ラファエラ 【Photo by Daniel Shirey/MLB Photos via Getty Images】

 オランダは過去の大会と同じように、キュラソーやアルバといったカリブ海のオランダ領出身の選手が中心となる。現役メジャーリーガーが並ぶ上位打線は強力で、セダン・ラファエラ(レッドソックス)はメジャー3年目の昨季、ゴールドグラブ賞を初受賞。オジー・アルビーズ(ブレーブス)は2021年と2023年に30本塁打&100打点を達成しており、ジュリクソン・プロファー(ブレーブス)も選球眼の良さが光る好打者だ。パドレスと長期契約を結んでいるザンダー・ボガーツは今大会も打線の中心となるだろう。ただし、投手陣は現役最多かつ歴代4位の通算476セーブを誇るケンリー・ジャンセン(タイガース)を除くと、メジャーで十分な実績のある選手がおらず、プールDを勝ち抜けるかどうかは投手陣の頑張り次第となりそうだ。

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著者プロフィール

神戸出身。2001年、イチローのマリナーズ移籍をきっかけに本格的にMLBに興味を持つ。2016年からMLBライターとしての活動を開始し、2017年から日本語公式サイト『MLB.jp』編集長。2021年にはSPOZONE(現SPOTV NOW)で解説者デビュー。ジャンカルロ・スタントンと同じ日に生まれたことが密かな自慢。

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