WBC「3強」は日本、アメリカ、ドミニカ共和国 米メディアやファンから見た侍ジャパンの強さとは?
アメリカが認めた「結束力」という武器
MLB.comは昨年12月、侍ジャパンの強さの秘訣を特集する記事を公開し、「MLBは世界最高峰の野球リーグと言えるかもしれないが、国際大会においては日本が最強の座に君臨している」と記した。過去5大会で複数回の優勝を経験しているのは侍ジャパンだけ。「日本が最強」というMLB.comの認識は間違っていないだろう。そして、強さの秘訣については「日本はスター選手の力だけで勝ってきたわけではない。アメリカの首脳陣は日本の結束力に注目している」と言及し、日本では高校野球などを通してプロ入り前からチームのために全力を尽くすことが一般的であることを指摘した。
ドミニカ共和国の監督を務めるメジャー通算703本塁打のレジェンド、アルバート・プホルスも「日本では代表チームが常設され、その結果としてほかの出場チームよりも優位に立つことができている」と同様の見解を示した。ただし、プホルスは「侍ジャパンが卑怯だ」と言いたいわけではない。ネルソン・クルーズGMとともに「各チームにWBC前のキャンプを実施する権限を与え、それをルール化すべきだ」とMLBのロブ・マンフレッド・コミッショナーに進言したことが報じられており、「ほかの出場チームも侍ジャパンを見習うべき」というスタンスなのだと思われる。
「本気のアメリカ」を呼び起こした侍の影
その言葉通り、前回大会のリベンジを目指すアメリカは「打倒・侍ジャパン」に向けて「本気」のメンバー編成を進めており、ジャッジが牽引する野手陣にはア・リーグ本塁打王のカル・ローリー(マリナーズ)、ナ・リーグ本塁打王のカイル・シュワバー(フィリーズ)、走攻守三拍子揃ったボビー・ウィットJr.(ロイヤルズ)、MVP二度のブライス・ハーパー(フィリーズ)など、球界を代表するスーパースターが勢揃い。課題の投手陣も真っ先に出場を表明したポール・スキーンズ(パイレーツ)に触発されるように、タリク・スクバル(タイガース)、ローガン・ウェブ(ジャイアンツ)、メーソン・ミラー(パドレス)といった豪華なメンバーが集まった。もしアメリカが前回大会の決勝で侍ジャパンに勝っていれば、今大会はこれほどのメンバーは集まらなかったはず。侍ジャパンの強さを認識し、本気で勝ちにいこうとしているからこそ、野手陣のみならず、投手陣にもスーパースターが加わったのだろう。
ちなみに、FOXは昨年11月の時点でWBCの優勝オッズを公開しており、1番手がアメリカ、2番手が日本、3番手がドミニカ共和国という順になった。投打とも史上最強と言っても過言ではないアメリカが1番手に推されるのは仕方ない部分もあるが、投打にオールスター級のタレントを揃えるドミニカ共和国より上という位置づけを見ても、三度の優勝を誇る侍ジャパンの野球が日本国内のみならず、アメリカのメディアや関係者からも高く評価されていることがよくわかる。今大会で期待されるのはやはり、決勝での侍ジャパンとアメリカのリマッチ(再戦)なのだろう。