【高校サッカー選手権・準決勝プレビュー】尚志vs.神村学園は圧巻の攻撃力対決 鹿島学園vs.流経大柏は崩し合いとセットプレーが必見
尚志vs.神村学園(10日12:05~@国立)
神村学園は準々決勝・日大藤沢戦(4-1)で4ゴールを叩き込み得点ランキングトップに立つ倉中悠駕(3年/センターフォワード)、変幻自在のドリブラー・徳村楓大(3年/左ウイング)、決定力のある日髙元(3年/右ウイング)が組む3トップの破壊力が際立っている。だが、それをコントロールするのが福島和毅(3年)だ。
左のインサイドハーフに入る福島は、3トップの間に次々と顔を出し、“3人目の動き”でパスを引き出したり、相手のマークを引きつけて3トップの誰かをフリーにしたり、質の高いオフ・ザ・ボールの動きを見せる。ボールを受けてもまた、手数は多彩。相手がプレスにこなければ自らボールを運んでシュートに持ち込んだり、食いついてくれば決定的なスルーパスを出したりと、相手の動きによってそのアプローチを変えている。
そして、彼の“自由な動き”を支えているのが、アンカーの堀ノ口瑛太(3年)と右のインサイドハーフを務める岡本桂乙(3年)、2人のずば抜けたバランス感覚だ。
堀ノ口は危機察知能力が高く、スペースを埋める力、ボールを奪う力に長ける選手。インサイドハーフが2人とも攻撃に加われば、カウンターを受けないように務め、どちらかが低い位置に下りてパスを受ければ、自らがCB(最終ライン)の間に落ちることで3バックに“可変”させ、ビルドアップに入るなど、ネガティブトランジションが起こらないようにサポートする。岡本は福島と堀ノ口の関係性を見て適宜ポジションを取り、2人のバランスをフォローしながら、チャンスとあれば前に出ていく。
チームはここまでの3試合で14ゴール。福島を軸とした中盤3枚の連係ができているからこそ、3トップや細山田怜真(3年)と荒木仁翔(3年)の両SBの動きが活性化され、そこから多くの得点が生まれている。
翻って、尚志はこの3枚の連係に歪みを入れたい。
昨年12月中旬に行われたプレミアリーグプレーオフから[4-3-3]の布陣を敷く尚志にとって、この試合はミラーゲームになる。同じシステム同士、神村学園の中盤3枚と同じ形で迎え撃てるわけだ。インサイドハーフの阿部大翔(3年)と小曽納奏(3年)、アンカーの星宗介(2年)は3人とも守備力が高く、ボールを奪い取る力に長けている。
ただ、ブロックを敷いて守備を固めるというよりも、自分たちがボールを保持して素早く動かすことで、相手の中盤3枚に攻撃の起点を作らせないことがポイントだろう。特に阿部は前に出て攻撃に絡んでいく力もあるだけに、チームとしてボールを握りながら、いかに彼を前線へ飛び出させて、攻撃に厚みをもたらしていけるか。そのことで、相手の中盤3枚のバランスを崩したい。
また、福島に自由を与えないよう複数の選手で監視し、ボールを奪ったあとに堀ノ口の周辺のスペースを活用するショートカウンターを仕掛けることも有効策だろう。もしくは猛威を振るってきた左右のウイング、臼井蒼悟(3年)と田上真大(3年)に素早くボールをつないで相手をサイドへ誘い出し、バランスを崩したところで、彼らの縦突破や“3人目の関わり”をもってハーフスペースを活用し、切り崩していくか。
尚志が得意とするのは“ピッチを広く使ったサッカー”だ。それができれば、神村学園の連係にノッキングを引き起こし、自分たちのペースにもなるはず。中盤の激しい攻防と駆け引きこそ、この試合最大の注目点だ。