キャリアハイのオフにFA宣言も残留 35歳左腕の決め手になったものは?

加賀一輝

プロ13年目でキャリアハイの数字を残した松葉 【写真は共同】

 ソフトバンクが日本一に輝くなど、パ・リーグの強さが目立った2025年のプロ野球。迎える2026年はWBCイヤーだ。野球界が一丸となって、再び頂点を狙いにいく年になるだろう。

 そんな中、スポーツナビでは1月11日午後2時から読売テレビ・日本テレビ系で放送される『大和地所スペシャル 超プロ野球 ULTRA』の収録現場を取材。収録に参加する選手たちにインタビューを行った。

 本稿では中日・松葉貴大へのインタビューをお届けしたい。

極寒のハマスタで、井上監督の初勝利をアシスト

「規定投球回を13年目にして初めて投げられましたし、オールスターにも選んでいただけました。課題はありましたが、自分にとっては充実したシーズンだったと思います」

 穏やかな口調で松葉は振り返った。

 本人の言葉にもあるように、2025年はキャリアハイと言えるシーズンになった。オリックスから移籍してきて7年目、これまでもコンスタントに投げてきたが、プロ野球選手としてもう一段階上に登った印象を受ける。

 そんな松葉の2025年ベストピッチングはいつの試合だったのか。

「シーズン初登板です」

 3月29日、横浜スタジアムで行われたDeNA戦。中日が1-0で最少リードを守り、井上一樹監督が初勝利を挙げた試合だ。この日先発の松葉は7回2安打無失点の好投。井上監督の記念すべき1勝をプレゼントすると同時に、通算1000投球回の節目にも到達した。

「最初の登板で監督の初勝利をアシストすることができたので、一番象徴的かつ印象に残る試合になりました」

 ちなみにこの日の横浜は気温10度に満たない寒さで、雨も断続的に降っていた。3月末とは思えない気候の中で松葉は熱投を繰り広げ、相手先発のトレバー・バウアーに投げ勝った。

「めちゃくちゃ寒かったですよね。雨も降っていたので、かなり寒かったのを覚えています」

 勝利という形で報われてなによりだ。

FA残留の理由は「ドラゴンズ愛」

 シーズン終了後には海外FA権を行使。35歳を迎えて「年齢的に最後のチャンス。どれだけ長く野球をやれるか」と考えた上での決断だった。他球団への移籍も想定される中、結果として中日への残留を選択。どういった理由で残留に至ったのか、簡単に経緯を聞いてみた。

「いろいろな話もありながら、一方で日に日にドラゴンズへの想いが強くなっていきました。チームメイトもそうですし、ファンの方から『残ってほしい』という声をプライベートの場を含めて、お声がけいただきました。本当にじわじわ、どんどんとドラゴンズに残りたい気持ちが高まって、残留を決めました」

 松葉は中日に来て選手生命が伸びたピッチャーだ。

 オリックス時代は快速球を武器にする本格派だったが、移籍を機に技巧派へモデルチェンジ。当初は先発しても5イニング限定で降板することが多く、「松葉課長」「定時退社」と呼ばれていた。ただ、ここ数年は完投への意欲を公言。2024年に初完投を含む2完投、昨季も1度完投をマークしている。

「ファンの声かけも要因になった」と松葉は話しているが、年齢を重ねてもチャレンジする姿勢が竜党の共感を呼び、“残留要請”に動いたのは想像に難くない。

「2026年は球団としても90周年の節目。そういう年にユニフォームを着させてもらえることは有り難いですし、ドラゴンズのために優勝したい気持ちが一番です」

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著者プロフィール

1988年3月6日、愛知県生まれ。成蹊大学卒業後、一般企業を経て独立。ライティング、MCなど幅広く活動する。2016年〜23年まで『スポーツナビ』にて編集・編成を担当。在職中に五輪・パラリンピックへの派遣、『Number』『文春オンライン』等への寄稿を経験。趣味は草野球で、1週間で20イニング投げることも。

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