書籍『獅子回顧録』

県大会1回戦で評価が固まった今井達也 ドラ1公表で「ふざけんなよ!」電話の主は

渡辺久信

【写真は共同】

「ライオンズは強くなければいけない」
チームづくりに奔走
栄光と苦悩と激動の20年

選手、監督、フロントとしてライオンズに長く関わってきた渡辺久信氏がチームづくりを振り返る。
2004年に二軍の投手コーチとしてライオンズに復帰してから、GMを務めた2024年までを中心に振り返った書籍『獅子回顧録』(渡辺久信著)から一部抜粋して公開します。

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2016年――ショートのレギュラー不在でリーグワースト101失策

 田辺監督の3年目、先発投手陣がなかなか安定せず、春先から苦しい展開を強いられた。4月終了時には首位とゲーム差4.0と食らい付いていたが、5月終了時には12.0ゲーム差に離されて借金5。7月には7勝16敗と苦しみ、最終的には64勝76敗3分で4位に終わった。球団としては35年ぶりとなる3年連続Bクラスで、クライマックスシリーズ進出を逃す結果となった。

 投手陣の不安定さとともに目立ったのが、リーグワースト101失策を喫した守備陣の脆さだ。特にショートを固定できず、開幕スタメンは外崎が名を連ねたが、その後は金子や永江恭平、鬼﨑裕司、呉念庭らが入り、最後までレギュラーを固定できずにいた。この状況が、ドラフト会議での源田獲得につながっていく。

 先発陣の中できっかけを掴んだのが、高卒7年目を迎えた菊池雄星だ。ローテをしっかりと守り、初の二けたとなる12勝を挙げた。翌年には16勝6敗、防御率1.97で最多勝と最優秀防御率を獲得した。そこに至るまで歯がゆいシーズンが続いていたが、求める技術と思考が一致したと言えばいいだろうか、いろいろなものが噛み合ってきた感じがあった。しっかりとした理論を持っているがゆえに、少し考え過ぎるところがあったのも事実だ。でも、それが雄星のいいところでもある。

 また、この年から一軍作戦コーチとして橋上秀樹を招いた。巨人や楽天で実績を残していたこともあり、田辺をサポートする役割としての期待があった。たしか、鈴木本部長による考えだったと記憶している。

 加えて、前年まで二軍監督を務めていた潮崎哲也を一軍ヘッド兼投手コーチに据えた。これも、野手出身の田辺をフォローするための人事である。翌年、辻発彦監督が就任するタイミングで、再び二軍監督に戻っている。

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