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ついに復帰した三笘、「一からの出直し」を図る熱き思い 3月の聖地での一戦にも強い意欲

森昌利

12月13日、敵地でのリバプール戦で実戦復帰を果たした三笘。0-2の後半19分からピッチに立ち、アディショナルタイムを含めて34分間プレーした 【Photo by Gaspafotos/MB Media/Getty Images】

 左足首の故障で欠場が続いていた三笘薫が、ついに帰ってきた。12月13日(現地時間、以下同)、プレミアリーグ第16節のリバプール戦。スタメンではなかったが、後半19分に投入されて77日ぶりに実戦のピッチに立った。試合後に本人が語ったようにコンディションはまだ不十分だが、戦列に復帰し、無事にプレーできたのは大きな前進だ。

歴史的勝利の歓喜の輪に入れなかったことをどう思っていたか

 12月13日に行われた試合が終わると、いつものように取材エリアであるミックスゾーンへ向かった。

 リバプールの選手と接触できるエリアは会見場の裏手にある。昔のアンフィールドのミックスゾーンは、いったんスタジアムの外に出なければならず、掘っ立て小屋のような建物の中に設けられていた。非常に狭苦しくて、中に入ると身動きが取れず、お目当ての選手が立ち止まってもそばに行けなかった。しかしスタジアムが改装されてからは、近代的な広々とした空間で選手の出待ちができるようになった。

 この日、三笘薫が77日ぶりに復帰していた。9月27日のチェルシー戦で左足首を負傷したとき、まさかこれだけ長い間、三笘と話せなくなるとは思わなかった。

 ブライトンのファビアン・ヒュルツェラー監督は、故障した時点から「軽傷だ。次の試合には戻ってくるだろう」と8週間も言い続けた。それが11月22日に行われたブレントフォード戦後の会見で「まだ痛みが残っている」という微妙な発言が飛び出し、その翌週の定例会見で「クリスマス前には帰ってこられそうだ」と、復帰時期――それでもまだ曖昧だったが――をようやく語った。

 最終的に全治11週間もかかった。通常、復帰まで2カ月半もかかるのは大怪我の部類である。

 謎の多い故障だったが、その間、三笘はどんな気持ちで怪我に立ち向かっていたのだろうか。

 言うまでもなく今季は来年夏のW杯につながる大事なシーズンだ。三笘が欠場している間、ブライトンはエース不在ながら混戦のリーグ戦で4勝3分2敗の成績を残し、3連勝でもすれば欧州チャンピオンズリーグ出場権も見えてくる位置につけている。

 そして日本代表はといえば、ホームで行われた親善試合とはいえ、ブラジルを相手に胸のすくような3-2の逆転勝利を飾った。まさしく歴史的勝利だった。歓喜の輪に入れなかったことを三笘はどう思ったのだろうか。

三笘がミックスゾーンで止まってくれないかもしれない…

三笘は第6節チェルシー戦以来となるメンバー入り。当初は軽傷と伝えられたが、戦列に復帰するまでに2カ月半を要した 【Photo by Gaspafotos/MB Media/Getty Images】

 試合前日の定例会見でヒュルツェラー監督が復帰を示唆したことで、今日こそは三笘に会えると思った。アンフィールドに向かう電車の中では、自然とこの11週間を振り返っていた。長い不在だっただけに、三笘に尋ねたいことが頭の中で膨張していた。

 だから現地に到着し、記者室で渡されたチームシート(メンバー表)のブライトン側のベンチメンバーの中に“Kaoru Mitoma”の11文字のアルファベットを見つけると、胸が高鳴った。ついに、本当に帰ってきてくれた。

 これまでに、これほど選手の復帰を待ち焦がれたことがあっただろうか。今季でプレミアリーグの取材は25シーズン目となるが、こんなに帰ってきてくれて嬉しいと思った記憶はない。

 もちろん、三笘が欠場すると事前に公にすれば、対戦相手に戦術的な優位を与えてしまうため、具体的な症状や状態をはぐらかし続けたヒュルツェラー監督の対応は理解できる。しかしその対応が待つ身の辛さとフラストレーションを高めたこともあり、今回の三笘のカムバックは本当に喜ばしかった。

 そんな喜びの一方で、取材前には突如として緊張した。

 三笘とはこれまでに何度も対面して話を聞いてきたが、彼の復帰に自分が必要以上に興奮していたこと。そして今季不振のリバプールが相手とはいえ、敵地で2点をリードされた難しい場面で起用され、見せ場があまりなかったことで、もしかしたらミックスゾーンで止まってくれないこともあるのではないか。

 そう思ったら悪寒がして、どんなことをしても止まってもらわなければと緊張したのだ。

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著者プロフィール

1962年3月24日福岡県生まれ。1993年に英国人女性と結婚して英国に移住し、1998年からサッカーの取材を開始。2001年、日本代表FW西澤明訓がボルトンに移籍したことを契機にプレミアリーグの取材を始め、2025-26で25シーズン目。サッカーの母国イングランドの「フットボール」の興奮と情熱を在住歴トータル30年の現地感覚で伝える。大のビートルズ・ファンで、1960・70年代の英国ロックにも詳しい。

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