中谷潤人vs.エルナンデス、チャート戦力比較 前哨戦に求められるのは「KOによる共演」
中谷の勢いはすさまじいばかりだ。ことさらにバンタム級にウェートを上げてからの試合、そのすべてが快勝圧勝の連続だった。もはや、世界を見わたしても井上尚弥(大橋)に対抗しうるボクサーは中谷1人きりとも断言できる。だからこそ、公然と囁(ささや)かれる2026年5月の次戦、モンスター井上vs.ビッグバン中谷による東京ドーム決戦はもっと盛り上がってほしい。
いまやボクシングの新たな聖地となったサウジアラビアがわざわざ用意してくれた「前哨戦」の舞台。中谷に求められているものは、ただ1つしかない。
一貫して圧倒的な強さを見せ続けてきた中谷
中谷自身を振り返れば、初めてのスーパーバンタム級での戦いになる。新しい階級にも安心できる上背もあるし、骨格もごつい。加えてパワーもバンタム級ではケタ外れだった。2団体の世界タイトルを手にしたことに一切の未練なく、タイトルを返上して新クラスに臨む。
さらに何よりも次なる戦いに強大なライバルとの対決の舞台が、水面下で用意されつつある。この試合に世界戦の肩書きはないが、大事なテストマッチで、さらに大事なビッグマッチ前哨戦だ。そこに伸びしろ未知数の不敗の新鋭が用意された。相応のプレッシャーがかかったとしてもいたしかたない条件だが、戦前の予想は、もちろんのこと、中谷の圧倒的有利になる。それも当然、このボクサー、比類なき強さを見せているからだ。
試合ごとに出来不出来の波があったのはルーキー時代まで。パンデミックのまっただ中、厳しい入場者制限のついた世界王座決定戦に勝ち、初めて世界チャンピオン(WBOフライ級)になった5年前から、その力量はグッと一段せり上がった。2023年、2階級目の世界王座(WBOスーパーフライ級)を手にした鮮烈勝利は、世界的な権威を持つ創刊から百年の老舗専門誌リング誌(米国)から年間最高KO賞に選ばれた。そして、2年前に3階級制覇の偉業とともにバンタム級キングダムに入城してからは無人の野を往く圧倒的な存在感を打ち放った。
何もさせないままKOに下し、バンタムのWBCタイトルを手にした相手王者アレクサンドロ・サンティアゴ(メキシコ)は、歴史的なハードヒッターであり、井上尚弥との激戦でも知られるノニト・ドネア(フィリピン)を破っている。
五輪2連覇の技術王ギジェルモ・リゴンドー(キューバ)に勝ったビンセント・アストロラビオ(フィリピン)にも、左ボディブロー一撃で初回KO勝ち。77勝(53KO1敗)をしているペッチ・ソーチトパッタナ(タイ)、28連勝不敗のデビッド・クエジャル(メキシコ)もまったく危なげなく退けた。
そして、バンタム級での2団体王座統一戦では、IBF王者・西田凌佑(六島)にもTKO勝ちを収めた。テクニカルなライバルを力勝負に持ち込み、西田が痛めた右肩を集中的に攻めて棄権に追い込んだのだ。対戦者の弱点をつく貪欲な攻撃こそは、格闘技の勝負師として、きわめて“健康な発想”であることをあらためて示してくれた。
これほどの標高で安定感を築く中谷が、今回のエルナンデス戦にさまざまな関門があったとしても、大きなミスを犯すとは考えにくい。
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