ショートトラック・長森遥南に見えた「光の道」 全日本3冠で逆転での五輪切符、初の夢舞台へ

沢田聡子

ワールドツアー代表から漏れた長森は大逆転でミラノ五輪代表入りを果たした 【写真:松尾/アフロスポーツ】

「日本で一番強い」好敵手に食らいついた500m決勝

「前がいなくなったから、光が差し込んで。『そこに行ける』って見えたので、突っ込んでいきました」

 ミラノ・コルティナ五輪代表選考にかかわる最後の大会、全日本ショートトラック選手権(12月13~14日、東京辰巳アイスアリーナ)の初日。女子1500m・500mを制した長森遥南は、そう振り返った。

 今季ワールドツアーでの女子日本代表は、3000mリレーで2つの銅メダルを獲得するなど活躍し、ミラノ五輪代表5枠を獲得している。ワールドツアー代表は、中島未莉、平井亜実、渡邉碧、⾦井莉佳、⿊川輝⾐の5名。このうち、今大会を前にミラノ五輪代表選考基準を満たした選手として、中島、金井、平井が発表されていた(この3名は、規定により今大会には出場しなかった)。残りの2枠は、今大会の結果を踏まえ、大会終了後に発表されることになっていた。

 一方、連盟の強化選手ではない長森は、ワールドツアー代表にも入っていない。現状、女子日本代表にとってリレーはメダルを狙える種目として重要である。その状況を考慮すると、長森のミラノ五輪代表入りは簡単ではなかったといえるだろう。

 大会初日、まず1500mで優勝した長森は、2つ目の決勝となる500m決勝に臨んだ。スタート直後に少しバランスを崩したものの、体勢を立て直す。そして終盤に仕掛け、トップを走っていた⿊川を捉えて2冠を果たした。ゴールしてガッツポーズをみせた長森は、黒川とハグを交わしている。

 初日の競技終了後に取材に応じた長森は、「黒川選手は、すごく500mが強い」と語った。

「日本でも一番強いと言っても過言ではない選手なので、ついていくことに必死になると思った。頑張って、必死に食らいついて。最初は離れてしまったんですけど、しっかり加速して食らいつけた。最後の2周は監督から『自信を持っていけ』という言葉をいただいていたので、しっかり自信を持って抜き切ることができました」

「トップスピードで抜き切る駆け引きができそうな手応えがあったのか」と問われると、長森は「そうですね」と応じた。

「今までとは違った『できるんじゃないか』という自信はすごくあって。頭の中で『残り2周、残り2周』と思ってイメージしながら決勝は臨んだので、その通りにいけたので良かったです」

 2日目に向け3冠への思いを問われると、長森は「以前も菊池純礼(すみれ)さんなどすごい選手、自分が目指していた選手方がとったものなので」と口にした。

「しっかりと自分もそこにたどり着ける、勝ち切ることができるように、明日も頑張りたいと思います」

1/2ページ

著者プロフィール

1972年埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、出版社に勤めながら、97年にライターとして活動を始める。2004年からフリー。主に採点競技(アーティスティックスイミング等)やアイスホッケーを取材して雑誌やウェブに寄稿、現在に至る。

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント