最下位マインツで孤軍奮闘する佐野海舟 W杯抽選会当日に語ったチームへの苦言と決意
川﨑の加入によって得た落ち着きと刺激
縦横無尽に走り、ボールを奪い、ラストパスを出して、シュートを狙う。チームメイトとコミュニケーションを取ることももちろん意識しているが、何より自分の背中で周りを奮い立たそうと懸命に戦っているのだ。
「勝てない難しさはありますけど、どの試合も前向きな姿勢や勝ちたい気持ちを自分は出しているつもりなので、それが伝わっていなかったとしたらもっとやらないといけない。自分がそういうプレーでもっと引っ張って、周りにいい影響、勢いを与えないといけないなと思います」
もし、この状況が加入1年目の昨季に起きていたら、まだ右も左も分からないなかで精神的にも厳しかっただろう。
ただ、今年はドイツでの生活に慣れたことに加え、普段から会話ができる川﨑の加入によって、ピッチ内外で気持ちを落ち着かせられる場所が増えたのは大きいはずだ。なかなか出場機会を得られずに苦戦している川﨑だが、佐野は彼の日々の積み重ねを間近で見ることで刺激を受けているようだ。
「彼としては(今は)自分のやりたいポジションではないかもしれないですけど、練習から毎日頑張っている姿は見ていますし、その頑張りが試合に出ていると思う。自分が言うことは何もないですけど、本当に一番近くで見ているので、いい刺激になります。彼は性格的に全力で毎日積み重ねていくような人。これからもっとチャンスをつかんでいけると思います」
一方で川﨑も、「まだ海舟くんみたいに、ここで確固たる信頼を得られてはいません。誰が見てようが、監督がいようがいまいが、やっぱり毎日の練習からやるべきことをやって、まずはチームメイトの信頼をつかんでいきたい」と、1つ上の先輩の背中を見ながら、自身の成長に目を向けている。
少しずつ、我慢強く、成長するしかない
代表でも日に日に存在感を高めている佐野は、「どこが相手でも自分がやるべきことをやらないといけないと思います」と抽選結果について触れつつ、そのためにもクラブでの結果が何より重要だと説いた。
「まずは自分がそこ(日本代表)に入っていかないと話にならない。そのためにはマインツでどれだけやれるか。そういった面も含めて勝利しないと評価は上がらないと思うし、今は厳しい状況ですけど、少しずつ、我慢強くやらないといけない。成長し続けるしかないかなと思います」
苦しむチームを救うような選手になりたい。クラブでも代表でも目標は1つだ。目の前に立ちはだかるマインツの厳しい現状を、彼自身の強い意志とプレーで打開していくこと。それこそが、W杯へと続く唯一の証明となる。
(企画・編集/YOJI-GEN)