北中米W杯への道 予選最終章と出場国の勢力図

北中米W杯・F組「タレント力比較」 日本がオランダに引けを取らないポジションは?

構成:YOJI-GEN

現在の日本代表は歴代最強との声もある。欧州トップクラスのリーグで揉まれ、逞しくなった選手がGKから前線までずらりと並ぶ 【写真は共同】

 来夏の北中米ワールドカップの組分け抽選会がアメリカ時間12月5日(日本時間6日)に行われ、グループFに入った日本はオランダ、チュニジアとの対戦が決まった。もう1か国はウクライナ、ポーランド、アルバニア、スウェーデンのいずれかで、3月に行われる欧州予選プレーオフで決定する。ここでは、同じグループに入ったライバル国との戦力を比較。タレントの質と量という観点で、FW、MF、DF、GKのポジション別にA~Eの5段階で各国を評価した。なお、欧州予選プレーオフ組は、ポジションごとに4か国の中で最も戦力値が高いチームだけに絞っている。
※情報、データは2025年12月5日時点

絶対的な存在こそいないが粒は揃う

スウェーデンのヨケレスは傑出した得点力を持つ。プレーオフを勝ち抜いてW杯に出場すれば、イサクとともに日本の脅威になるはずだ 【Photo by Mateusz Slodkowski/Getty Images】

【FWの査定】
日本:C
オランダ:B
チュニジア:E
スウェーデン:A


 CF(センターフォワード)の核である上田綺世が一皮剥けたのは日本にとって心強い。今季は在籍3年目のフェイエノールトでエースの座をつかみ、現在オランダ1部の得点ランキングでトップに立つ。昨季、スコットランド1部のMVPに輝いた前田大然(セルティック)も健在で、他にもドイツで実績を積み上げている町野修斗(ボルシアMG)、上田と同じオランダ1部で奮闘する小川航基(NEC)がおり、191センチの大型ストライカー・後藤啓介(シントトロイデン)の台頭も頼もしい。

 もっとも、オランダと比較するとクオリティ、経験値ともわずかながら下か。

 確かにオランダも他の列強国と比べればFW陣が充実しているとは言い難い。それでもリバプールの重要戦力で、昨季のプレミアリーグ優勝に貢献したコーディー・ガクポを筆頭に、得点力も備えたドリブラーのドニエル・マレン(アストン・ビラ)、ハイタワーのヴォウト・ヴェフホルスト(アヤックス)、進境著しいエマヌエル・エメガ(ストラスブール)など、絶対的な存在こそいないものの粒は揃っている。このところ怪我を繰り返している大御所メンフィス・デパイ(コリンチャンス)のコンディションが整えば、相応の陣容だろう。

 逆に心許ないのがチュニジア。伝統的に堅固な守備が特長の国で、攻撃的なタレントを多く輩出してきたマグレブ(北西アフリカ諸国の総称)の中では異質だが、現代表にも世界水準のFWは見当たらない。そのなかでも日本が警戒すべき選手はテクニシャンのエリアス・サード(アウクスブルク)か。

 欧州予選プレーオフ組に目を移せば、スウェーデンの前線は強力だ。アレクサンデル・イサク(リバプール)とヴィクトル・ヨケレス(アーセナル)は、いずれもこの夏に莫大な移籍金でメガクラブに引き抜かれた旬のタレント。プレミア史上最高額でリバプール入りしたイサクは新天地で苦戦している印象だが、ヨケレスとのCFデュオは能力的には欧州トップクラスと言っていい。

 さらに快足ドリブラーのアントニー・エランガ(ニューカッスル)、“スウェーデンのメッシ”と称される20歳の逸材ルーニー・バルドグジ(バルセロナ)など、サイドアタッカータイプも人材豊富。欧州予選でわずか4得点に終わり、6戦未勝利でグループ最下位に終わったのがジョークに思えるほど充実した陣容だ。

 前監督との確執により、代表でのプレーを一時固辞していた英雄ロベルト・レバンドフスキ(バルセロナ)が復帰したポーランドよりも上で、オランダと比較してもスウェーデンに軍配が上がるだろう。

今大会の出場国の中でも上位なのは間違いないが…

オランダのフラーフェンベルフは、スキルと知性、フィジカルが高次元で融合。リバプールのチームメイト遠藤とのマッチアップが見られるか 【Photo by Alex Bierens de Haan - UEFA/UEFA via Getty Images】

【MFの査定】
日本:B
オランダ:A
チュニジア:D
ポーランド:C
スウェーデン:C


 日本にとって最大の強みがこのセクションだ。

 特に現在の基本システムに照らして「MF」にカテゴライズしたアタッカー陣は、クオリティ、選手層とも史上最高と言ってもいい。三笘薫(ブライトン)、久保建英(レアル・ソシエダ)、堂安律(フランクフルト)、鎌田大地(クリスタルパレス)、南野拓実(モナコ)、中村敬斗(スタッド・ランス)、伊東純也(ヘンク)と多士済々で、ワールドクラスのタレントが並ぶ超大国と比べても大きくは劣らない。

 セントラルMFも実力者揃いだ。主将の遠藤航が、昨季に続いて今季もリバプールで出場機会に恵まれないのは気掛かりだが、守田英正(スポルティング)、田中碧(リーズ)、佐野海舟(マインツ)らもおり、不安はないだろう。

 ただ、これだけ充実した陣容でもオランダにはやや見劣りするのも確か。大黒柱のフレンキー・デ・ヨング(バルセロナ)、今夏に移籍したマンチェスター・シティでも存在感を見せているティジャニ・ラインデルス、3年目のリバプールでプレーの質を高めているライアン・フラーフェンベルフ、超絶テクニシャンのシャビ・シモンズ(トットナム)など、オレンジ軍団の中盤には世界トップクラスのタレントが顔を並べる。

 それでも日本のMF陣は今大会の出場国の中でも上位なのは間違いなく、チュニジア、さらに欧州予選プレーオフ組の4か国も上回る。

 チュニジアでは、欧州主要リーグで実績を挙げてきた守備的MFのエリス・スキリ(フランクフルト)が一番のタレント。日本にとっては、アフリカ予選でチーム最多の4得点を挙げたモハメド・アリ・ベン・ロムダン(エジプトのアル・アハリ)や、パリ・サンジェルマンの下部組織で育った21歳のアタッカー、イスマエル・ガルビ(アウクスブルク)も警戒が必要だろう。

 欧州予選のプレーオフを戦う4か国の中では、ポーランドとスウェーデンのMF陣が双璧か。ポーランドは、プレーメーカーのピオトル・ジエリンスキ(インテル)やサイドプレーヤーのニコラ・ザレフスキ(アタランタ)が注目選手。スウェーデンはヒューゴ・ラーション(フランクフルト)、ルーカス・ベリバル(トッテナム)ら才能溢れるヤングタレントを擁する。

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