WBC経験者が選んだ、侍ジャパンメンバー30人

元西武監督・辻発彦が選ぶWBC侍ジャパンメンバー30人(投手・捕手編) 悩んだ中継ぎ陣、千賀を後ろで使うのも面白い

永松欣也

辻氏はWBC舞台で「落ちるボール」の重要性から千賀に期待を寄せた 【Photo by G Fiume/Getty Images】

 来年2026年3月に開幕する「ワールドベースボールクラシック2026」。前回大会の侍ジャパンの優勝も記憶に新しいですが、今回はどんなメンバーが選ばれるのでしょうか? そこで今回は、最終メンバー発表を前にWBCの舞台を経験している評論家の方々に「自分が監督ならば」という目線で、30人のメンバーを選んでもらいました。

 第2回目は内野守備走塁コーチとして2006年大会を経験している辻発彦さんに選んでいただきました。まずは投手と捕手を見ていきます。

ピッチャーは「落ちるボール」がポイント

 別の媒体でも侍ジャパンのスタメンと打順を考えるYouTube企画に出させてもらったんですけど、今回は自分が監督になったつもりで30人のメンバーを選ぶんですね? 大変だなぁ(苦笑)。この前の韓国との2試合(11月15日・16日)も見ていますから、前に選んだメンバーとちょっと変わってしまうかもしれませんね。

 まずは先発ピッチャーですが、メジャー組が全員参加してくれると仮定して、山本由伸(ドジャース)、菊池雄星(エンゼルス)、今永昇太(カブス)、今井達也(西武)の4人。西武の元監督としては、WBCの舞台で投げている今井の姿を見てみたいですね。

 大谷翔平(ドジャース)はコンディション的にどうでしょうか? もしかしたら出場しても「DH専念」の可能性もあると思いますけど、投げてくれるならやっぱり先発ですよね。

 抑えで考えたのは松山晋也(中日)と杉山一樹(ソフトバンク)。勝負球に落ちるボールを持っているので面白いですよね。この2人のどちらかに抑えは任せたい。

 あとは佐々木朗希(ドジャース)ですね。メジャー移籍1年目は苦労していましたけど、シーズン終盤になって急造で抑えをやって世界一に貢献しました。あれだけのフォークが投げられるとそうは打たれない。1年やってメジャーのボール、マウンドにも慣れているという安心感もあります。先発は顔ぶれが揃っているので、使うなら後ろか第2先発になるかなと思っています。

 中継ぎではまず伊藤大海(日本ハム)ですね。使うとしたらセットアップ、または第2先発のイメージです。同じようなイメージで才木浩人(阪神)も選びたいですね。長いイニングが投げられるし落ちるボールもある。平良海馬(西武)も選びましょうかね。先発も後ろも両方できるピッチャーですし、ボールが速くて球種も多い。そんなに落ちないですがフォークも投げます。村上頌樹(阪神)も考えたんですけど、メジャーの強打者には真っ直ぐと落ちるボールで三振がとれないと厳しい。スライダー系は結構打ちますから、村上みたいなタイプのピッチャーは「どうだろう?」ってちょっと考えてしまいます。村上も落ちるボールを投げますけど、そんなに空振りが取れるボールではないんですよね。やっぱり緩急と落ちるボールがないとメジャーのバッターを抑えるのは難しいのかなと思います。

手薄な左の中継ぎ、抑えを託すのは松山と千賀

MLBでもフル回転を続ける松井。辻氏は左の中継ぎの筆頭として名前を挙げた 【Photo by Brace Hemmelgarn/Minnesota Twins/Getty Images】

 ここまで選んだピッチャーを整理すると、先発が山本由伸、今永、菊池、今井、大谷の5人。中継ぎ・抑えが松山、杉山、佐々木、伊藤、才木、平良の6人ですか。先発は5人で十分ですから、ピッチャーの登録人数を15人とするならば、あとは中継ぎで4人ですね。

 そうなると、中継ぎに左がいないので松井裕樹(パドレス)と宮城大弥(オリックス)ですね。2人ともスライダーが武器ですが、宮城はチェンジアップもあって落ちるボールも投げる。結構通用すると思います。

 松井のことは忘れていましたね。そう考えるとメジャー組では千賀滉大(メッツ)、菅野智之(オリオールズ)もいるんですよね。これは選ぶ方も大変だ(笑)。

 左の中継ぎは松井の他に名前が出てこないというか、手薄な感じがしています。他に名前を挙げるとすれば東克樹(DeNA)と隅田知一郎(西武)でしょうか。

 隅田はこの前の韓国戦があまり良くなかったですね。どちらかを選ぶとしたら東でしょうか。先発したピッチャーの後を受けて、打者の目先を変えるという意味では東の方がいいのかな。隅田よりもコントロールの心配もないでしょうしね。

 左の中継ぎでは松井が唯一の専門家、スペシャリストということになりますね。メジャーでの経験も豊富だし、年齢的にもブルペンのまとめ役的な役割を期待できるかもしれません。

 右の中継ぎだと大勢(巨人)、石井大智(阪神)、松本裕樹(ソフトバンク)が思い浮かびます。でも大勢はボールは速いですけど、フォークはそんなにスコンと落ちるようなボールでもない。石井はフォークもスライダーも良い。松本は今や日本では最高のセットアッパーです。相手からしたら凄く嫌なピッチャー。でもやっぱり真っ直ぐとスライダーというイメージ。フォークも投げることは投げるけど、そのあたりがメジャーのバッター相手にどうなのか。

 落ちるボールということで考えると、北山亘基(日本ハム)も良いですね。真っ直ぐも速くて中継ぎ・抑えの経験もある。達孝太(日本ハム)も良いフォークを投げるから面白いのは面白いですけど、中継ぎの経験がないのがね。西口直人(楽天)も良いフォークがあって点を取られない。この辺りの人選は迷いますね。

 あ! 千賀を後ろで使うのも面白いかもしれないですね。ただ千賀を選ぶと、杉山、松山と似たようなピッチャーが3枚になってしまう。この3人で誰を外すかと考えると、杉山と松山はボールとマウンドが変わる大会になるので、日本と同じように投げられるのかという不安が少し出てきます。千賀はコンディションさえ良ければ心配いらない。悩むところですけど、抑えは松山にして、杉山を外しましょうか。代わりに少しタイプの違う石井を入れましょう。右の中継ぎの専門家も1人欲しいですしね。

 後ろに千賀、佐々木、松井とメジャー組が3人いるのは心強いですね。

【辻さんが選んだ投手(15人)】
<先発>
山本由伸(ドジャース)
今永昇太(カブス)
菊池雄星(エンゼルス)
今井達也(西武)
大谷翔平(ドジャース)

<中継ぎ・抑え>
松山晋也(中日)
千賀滉大(メッツ)
佐々木朗希(ドジャース)
石井大智(阪神)
伊藤大海(日本ハム)
才木浩人(阪神)
平良海馬(西武)
松井裕樹(パドレス)
宮城大弥(オリックス)
東克樹(DeNA)

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著者プロフィール

1976年、大分県速見郡生まれ。多くのスポーツサイトの企画・編集、ディレクターなどを経てフリーランスに。現在は少年野球、高校野球サイトのディレクターを務めながら書籍の企画・編集も行っている。主な書籍は『星野と落合のドラフト戦略』『ジャイアンツ元スカウト部長のドラフト回想録』『回想 ドラゴンズでの14年間のすべてを知る男』など。

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