北中米W杯への道 予選最終章と出場国の勢力図

北中米W杯の抽選会をシミュレーション 森保ジャパンにとって「理想の組分け」と「最悪の組分け」は?

吉田治良

「優勝」を大目標に掲げる森保ジャパンにとって、その第一関門となるグループステージ。できればこの段階での消耗は避けたい 【Photo by Getty Images】

 来年6月に開幕する北中米ワールドカップの組み合わせ抽選会が、アメリカ時間の12月5日(日本時間6日)に行われる。アジア予選を圧倒的な強さで突破し、8大会連続のW杯出場を決めた日本代表は初の「ポット2」入りが確定した。ここでは一足早く抽選会をシミュレーション。世界制覇を目標に掲げる森保ジャパンにとって、グループステージの「理想の組分け」と「最悪の組分け」を考えてみる。

対戦国すべてがランク下という組分けも

■理想の組分け①
ポット1:カナダ(27)
ポット2:日本(18)
ポット3:スコットランド(36)
ポット4:ニュージーランド(86)

※カッコ内はFIFAランキング

 ポット2に入ったことで、前回大会ベスト4のモロッコ、クロアチア、そして南米予選を3位で突破したコロンビアといった強豪との対戦を避けられるのは大きい。開催国の中で最も力の劣るカナダの組(グループB)を引き当てれば、3つの対戦国すべてが日本よりもFIFAランキング下位というグループが生まれる可能性がある。ちなみにカナダに対しては、直近の対戦(23年10月)で4-1と快勝している。

 ポット3からランキング61位の南アフリカあたりが入ってくればさらに楽になりそうだが、全グループ数(A~Lの12組)よりも多い16カ国が出場するヨーロッパ勢が、1つも入らない組ができるとは考えにくい。よってポット3からはスコットランドを組み込んだ。

 キャプテンのアンドリュー・ロバートソン(リバプール)や中盤を支えるスコット・マクトミネイ(ナポリ)らが健在で、今予選では最終節のデンマーク戦にアディショナルタイムの2ゴールで勝利し、劇的な展開で28年ぶりの本大会出場権を勝ち取っている。決して侮ることはできないが、得点力不足は相変わらずで、今の日本であれば十分に勝てる相手だ。過去の対戦成績は、いずれもホームゲームながら1勝2分けと相性も悪くない。

 カナダと同組になることを前提とすれば、ポット4から同じ北中米カリブ海の国(パナマ、キュラソー、ハイチと、大陸間プレーオフに回るジャマイカ、スリナム)は抽出できない。ここは初出場で未知数の多いアフリカのカーボベルデよりも、Aマッチは過去3戦全勝と分のいいオセアニアのニュージーランドの方が与しやすいだろう。

因縁の相手にリベンジを果たした上で……

ベルギーとは18年ロシアW杯のラウンド16で対戦。今回同組になれば、終了間際の電光石火のカウンターに沈んだあの悔しさを晴らしたい 【写真は共同】

■理想の組分け②
ポット1:ベルギー(8)
ポット2:日本(18)
ポット3:コートジボワール(42)
ポット4:キュラソー(82)

※カッコ内はFIFAランキング

 グループ1位での突破も十分にありうる「理想の組分け①」だが、いくら出場国が32から48に大幅増となったとはいえ、ここまで対戦相手に恵まれるとは現実的に考えにくく、なによりワクワク感がない。もう少し難易度を高めた上で、それでいてグループ突破の可能性を感じさせる、「現実味を伴う理想の組分け」がこれだ。

 ポット1からは、ベルギーを選んだ。ウェールズ、北マケドニアなどと同居した今予選を無敗で突破したとはいえ、FIFAランキング1位に君臨していた4~5年ほど前の強さはない。守護神のティボー・クルトワ(レアル・マドリー)や元キャプテンのケビン・デ・ブライネ(ナポリ)が一時、代表引退を示唆するなど世代交代の過渡期にあるチームは、落ち着きを欠いている。付け入る隙はあるだろう。

 そしてポット3からは、コートジボワール。W杯には06年から14年まで3大会連続出場したアフリカの強国だが、ディディエ・ドログバやトゥーレ・ヤヤらを擁した当時と比べれば、タレントはかなり小粒になった。昨年は自国開催のアフリカネーションズカップを制するなど、もちろん地力はある。ただ、かつてのような圧倒的な個はないだけに、組織対組織の戦いになれば、勝機は十分あるはずだ。

 ベルギーには、18年ロシアW杯のラウンド16で2点のリードを土壇場でひっくり返され、ベスト8入りを断たれた。コートジボワールには、「史上最強」の呼び声高い陣容で臨んだ14年ブラジル大会の初戦で、痛恨の逆転負けを喫した。因縁の相手にきっちりリベンジを果たした上で、頂点を目指すのが、ある意味「理想」だ。

 成績上位の3位にまで突破のチャンスがある今大会。小国キュラソーからは確実に勝ち点3とともに多くのゴールを奪いたい。

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著者プロフィール

1967年、京都府生まれ。法政大学を卒業後、ファッション誌の編集者を経て、『サッカーダイジェスト』編集部へ。その後、94年創刊の『ワールドサッカーダイジェスト』の立ち上げメンバーとなり、2000年から約10年にわたって同誌の編集長を務める。『サッカーダイジェスト』、NBA専門誌『ダンクシュート』の編集長などを歴任し、17年に独立。現在はサッカーを中心にスポーツライター/編集者として活動中だ。

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