井上拓真が示した“キャリアの深み”──天心に初黒星をつけた大一番の真実
序盤に主導権を握った天心だが…
しかし3ラウンド以降、拓真は前進を強めて試合の流れを変える。「2Rまでポイントをとれていない。自分から攻めるしかない」と多彩な攻撃で前に出ることで中盤から優勢を築く。4ラウンド終了時の公開採点は3者38-38のドロー。父・真吾トレーナーもこの採点に「ここから色濃く持っていけばしっかりポイントにつながる」と自信を深め、攻めの姿勢を貫く指示を出す。8ラウンド終了時点の公開採点では2者が拓真を支持し、終盤以降も主導権を渡さなかった。最終的な採点は116-112、117-111と明確な勝利となり、格闘技無敗だった天心に初黒星をつける一戦となった。
試合のターニングポイントとなった3ラウンド
4ラウンド終了の公開採点は三者とも38-38。拓真は「流れは自分に来ている」と捉え、逆に天心は「下がりながらのカウンターではポイントを取れない。ちょっとどうしようかなという迷いがあった」と後手後手に回る展開になってしまった。中盤以降は拓真が接近戦で優位に立ち、ジャブ、アッパー、ボディを確実に重ねてポイントを積み上げた。「自分が練習してるものが出せない間合いになった。距離感がうまかった」と拓真の間合いに天心も脱帽した。結果として、試合前に想定された“キャリアの深さがカギ”という構図が拓真に大きく傾いた。