北中米W杯への道 予選最終章と出場国の勢力図

ドイツ、イタリア、ベルギーの命運は? 列強3か国はW杯の切符を掴めるか…

構成:YOJI-GEN

ドイツ(左)、イタリア(中央)、そしてベルギー(右)。佳境を迎えたW杯欧州予選グループステージで、3つの列強国はどんな戦いを見せるのか 【Photo by Christian Charisius/Image Photo Agency/MB Media/Getty Images】

 11月13~18日(現地時間、以下同)にヨーロッパ各地でワールドカップ予選が行われる。これで12組に分かれて争われたグループステージの全日程が終了し、本大会にストレートインの12か国(各グループの1位)、プレーオフに回る16か国(各グループの2位と、3位以下のうち2024-25UEFAネーションズリーグのグループ1位の中で同リーグ暫定ランキングの上位4か国)が決まる。ここでは、いわゆる列強国の中でもドイツ、イタリア、ベルギーの3か国に注目。いずれも今予選の歩みは順風満帆だったとは言い難い国々だが、それぞれ最近のチーム状態を踏まえながら、グループステージ最終章の戦いを占う。

【ドイツ】停滞するヴィルツや新星S・エル・マラらアタッカーの活躍に期待

初戦で屈したスロバキアと同勝点ながら、得失点差で上回る。チーム状態は悪くなく、雪辱戦となるホームでの直接対決を落とすようなことがなければ首位通過が濃厚だ 【Photo by Christian Charisius/picture alliance via Getty Images】

 ドイツは初戦のスロバキア戦で0-2の完敗を喫し、W杯予選におけるアウェーゲーム無敗記録が「52」(41勝11分)で途絶えた。守護神マルク=アンドレ・テア・シュテーゲンが欠場したGKおよびCB(センターバック)陣のクオリティ不足と、ジャマル・ムシアラが不在だった前線の決定力不足が浮き彫りになり、国内でも先行きを危ぶむ声が挙がったが、第2節から3連勝と巻き返しに成功。スロバキアが北アイルランドに0-2で敗れた第3節終了時から首位に立っている。

 チーム状態はまずまず。ユリアン・ナーゲルスマン監督が第3節のルクセンブルク戦から導入した4-2-3-1の機能性はまだ高くないが、CBニコ・シュロッターベック、GKオリバー・バウマンら個々の奮闘もあり、直近2試合はクリーンシートを記録している。

 一方、前線では好調のセルジュ・ニャブリがムシアラの代役として躍動。カイ・ハバーツやティム・クラインディーンストら怪我人が多いCF(センターフォワード)は、23歳のニック・ヴォルテマーデが新レギュラー候補として台頭し、第4節の北アイルランド戦では値千金の決勝点を挙げている。

 FIFAランキング97位の格下ルクセンブルクと激突する第5節(11月14日)に向けて憂いはなく、2位スロバキアとの得失点差をどれだけ広げられるかが焦点だ。クラブで停滞しているフロリアン・ヴィルツ、今回が初招集となる19歳のサイード・エル・マラらアタッカーの活躍が期待される。ここで注文通りの快勝を収めれば、自力突破に王手。最終戦のスロバキア戦(11月17日)は得失点差によりドローでも首位キープとなる公算が高く、ホーム開催のアドバンテージを考えても有利な状況だ。

 いずれの試合もボールを支配して相手を押し込む展開になりそうだが、早い時間帯に先制して精神的な余裕を持てるかが勝利へのポイントになる。

[グループA順位表]
1位 ドイツ
勝点9|3勝0分1敗|8得点・3失点
2位 スロバキア
勝点9|3勝0分1敗|5得点・2失点
3位 北アイルランド
勝点6|2勝0分2敗|6得点・5失点
4位 ルクセンブルク
勝点0|0勝0分4敗|1得点・10失点

【イタリア】リベンジマッチを制して鬼門のプレーオフに弾みを

得失点差を考えると、ノルウェーを蹴落として1位に浮上するのは困難。6月に0-3と完敗した北欧の躍進国にリベンジを果たし、いい形でプレーオフに臨みたい 【Photo by Davide Casentini/NurPhoto via Getty Images】

 イタリアは、本大会へのストレートインが絶望的な状況だ。最後にノルウェー戦(11月16日)を控えるが、その天王山で勝利してトップと勝点で並んでも、巨大な得失点差(現時点で16差)が重くのしかかり、2位フィニッシュとなる可能性が高い。ノルウェーの次戦はエストニアとのホームゲームで、いわゆる他力による首位浮上のチャンスも訪れそうにない。

 第2戦終了後の6月15日に発足したジェンナーロ・ガットゥーゾ新体制下で4戦全勝と勢いに乗るアッズーリとしては、まずは次節のモルドバ戦(11月13日)で連勝を伸ばし、最後のリベンジマッチに備えたい。

 2026年3月に予定されるプレーオフに回ることがほぼ確定しているイタリアにとって、そのノルウェー戦はW杯優勝4回を誇る大国の威信をかけた一戦となる。同時に問われるのが「ガットゥーゾ・イタリア」の真価。ここまでの4試合は陣形(3-4-3、4-3-3)をコンパクトに保ち、縦に速い仕掛けや敵陣でのボール奪取などモダンでアグレッシブな姿を見せてきた。ただ、相手はエストニアとイスラエルであり、ノルウェーに対しても同様に支配できるか。

 ガットゥーゾは「代表チームへの熱意、帰属意識、献身」を求め、主将ジャンルイジ・ドンナルンマを筆頭とする選手たちは、指揮官のそうした期待によく応えている。その象徴が全員のハードワーク。チームとしての一体感もあり、ノルウェー戦がたとえ事実上の消化試合でも、だれもが手を抜かずに高いモチベーションで挑むはずだ。過去2大会連続で涙を飲んだプレーオフに自信を持って臨むためにも、この天王山で勝利という成功体験を重ねておきたい。

 今回の招集リストを見ても“本気度”は伝わってくる。コアメンバーと言えるGKドンナルンマ、DFアレッサンドロ・バストーニ、ジョバンニ・ディ・ロレンツォ、フェデリコ・ディマルコ、リッカルド・カラフィオーリ、MFサンドロ・トナーリ、ニコロ・バレッラ、FWモイーズ・ケーン、マテオ・レテギが順当に選ばれ、クラブ・ブルージュで好調のニコロ・トレソルディ(イタリアとドイツの二重国籍)ら新戦力候補に声はかかっていない。打倒ノルウェーなるか、注目だ。

[グループI順位表]
1位 ノルウェー
勝点18|6勝0分0敗|29得点・3失点
2位 イタリア
勝点15|5勝0分1敗|18得点・8失点
3位 イスラエル
勝点9 |3勝0分4敗|15得点・19失点
4位 エストニア
勝点4 |1勝1分5敗|7得点・17失点
5位 モルドバ
勝点1 |0勝1分5敗|4得点・26失点

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