先発・大谷翔平が3ラン被弾も劇的な逆転勝利 「涙が出た」山本由伸、佐々木朗希も球団史上初の連覇に貢献!
負けを覚悟した後のミラクルな逆転劇
1点を追う九回、なんと9番のミゲル・ロハスが同点ソロ。
その裏、1死一、二塁のピンチを迎えると、昨日先発した山本由伸がマウンドへ。先頭打者に死球を与えて満塁としてしまったが、そのピンチをしのぐと、十回は三者凡退に抑えた。
ウィル・スミスの本塁打で1点を勝ち越した延長十一回裏は、先頭のウラジーミル・ゲレロJr.に二塁打を許したものの、1死一、三塁でアレハンドロ・カークを遊ゴロ併殺に仕留め、ドジャースが球団史上初の連覇を果たしている。
こうして駆け足で振り返れば、劇的なハッピーエンディングだが、おそらくドジャースファンは何度も負けを覚悟したはず。なにしろ三回、先発の大谷翔平が3ランを打たれ、いきなり3点のビハインドを背負ったのだから。
そのシーン、日本のメジャーファンは既視感を覚えたのではないか。いや、それは決してデジャブではない。
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筆者は、2017年11月1日――ダルビッシュ有(当時ドジャース)がワールドシリーズ第7戦に先発したときのことをはっきりと覚えている。
左翼ポール際にあるブルペンでダルビッシュが試合前のウォーミングアップを始めたとき、それを上から見ていた。第3戦に先発したときには、二回途中、6安打、4失点で降板。同じ結果になれば、ドジャースの優勝は厳しい。
どんな展開が待っているのか。ブルペンに漂う緊張感を肌で感じた。
日本ハム時代、同じ11番をつけていた投手が背負う宿命は、かくも奇縁なり。
調子がいいのか、悪いのか。それだけでははかりかねたが、試合が始まってみれば、後者であることは容易に見てとれた。本人は投げたいところに、投げたい球を投げられないもどかしさを感じていたのではないか。
「少しでも長く(投げて)後ろにつなげるようにという思いでマウンドには立っていた」と大谷。しかし、非情な結末を招いた。
「最後は悔しい形で打たれてしまった」
球速は出ていた。4シームの平均は98.9マイルで、今季の平均より0.5マイル速い。縦の変化量は16インチで、今季平均の15インチを上回った。
しかし、ストライクとボールがはっきりしていて、球数がかさむ。コマンド力の欠如を象徴したのが三回。1死一、二塁のピンチでボー・ビシェットを迎えると、初球の甘く入ったスライダーをセンターのバックスクリーンの上まで運ばれた。