追い込まれたドジャースは再び敵地トロントへ 崖っぷちで蘇る大谷翔平の言葉「2連勝すればいいゲーム」
打順変更の策も実らずドジャーズ打線は沈黙
ジョージ・スプリンガーに代わって1番に入ったデービス・シュナイダーが初球、2番のウラジーミル・ゲレロJr.が2球目をそれぞれ左翼席に運び、ドジャースは開始1分で劣勢に立たされた。
三回、キケ・ヘルナンデスのソロ本塁打でドジャースは1点差としたが、直後の四回、ミスから追加点を奪われ、七回は3四球とワイルドピッチなどで、2点を奪われると、勝負あった。その展開は、まるで第4戦のリプレイを見ているかのよう。
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2番のベッツを3番に、クリーンナップを打ってきたスミスを2番に。何より、ポストシーズンに入ってからの打率が1割にも満たず、四球もゼロというアンディ・パヘスを外し、アレックス・コールをスタメンで起用した。
「アレックスの方が、出塁が期待できる。翔平が走者を置いて打席に入る確率も高くなるだろう」とロバーツ監督。彼が我慢できなくなったというより、アンドリュー・フリーマン編成本部長が我慢できなくなったのだろう。
もちろん、ベッツの打順変更にも理由がある。
大谷はこのポストシーズンで14四球(8敬遠)だが、ベッツはその直後の打席で11打数1安打、3四球。相手にとっては安心して大谷を歩かせられる存在に。この悪い流れを断ち切るため、その役割をスミスに託すことになったが、そのスミスもこのポストーズンでは、この日の試合前の段階で打率.267、出塁率.365、OPS.699、1本塁打と決して当たっているわけではない。ワールドシリーズの第2戦では値千金の本塁打を放つなどしたが、キャリアトータルでは、ポストシーズンで結果を残せていない。
では、誰が適任かと言えば、それがいないのが問題。そもそも、ドジャース打線全体が低迷している。
レッズとのワイルドカードゲーム2試合では18点を取ったが、この日も含め、その後の13試合では1試合平均3.53点。得点圏打率は.181。
フレディ・フリーマンは、「翔平だけに頼るわけにはいかない。ヒットで一塁走者を三塁に進めたり、相手に球数を投げさせたり、いろんなことをしていかなければ。ホームランを打とうとする必要などない」と試合前の会見で話したものの、打順変更が功を奏し、意識改革ができたか――と言えば、その答えはこの日も見えなかった。
コールは八回の打席で四球を選んだが、すでに試合が決まった場面。そもそも大谷が4打数無安打に終わり、出塁さえできなかった。