投手・大谷翔平が試合後に語った痛恨の七回 打者・大谷はビーバーとの駆け引きに屈す
死闘翌日の大谷のコンディションは?
「ちょうど、フィールドでインタビューの準備をしているとき、翔平が両手を広げて目の前を走っていった。どこへ行くのかと思って見ていたら、その先に由伸がいたの」
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山本は1球もマウンドでは投げていない。しかし、チームに大きく貢献した1人。サヨナラ本塁打を放ったフレディ・フリーマン、デイブ・ロバーツ監督も強く山本を抱きしめた。
「あの(自己犠牲の)精神が、我々のチームを体現している」とフリーマンは言う。
「彼がウォーミングアップをしているのを見たとき、絶対に彼を投げさせてはいけないと思った」
試合後、山本は「最初は監督が絶対いいとは言わないと思った。でも、仕方なかったので、準備しながら話し合おうとなった」と裏を明かし、続けた。
「でもこういう試合で投げられるように何年も練習してきた。19歳のときは、何でもない試合で投げて、そこから10日間くらい投げられなかったりしたんですけど、そこから何年も練習してこういったワールドシリーズで完投した2日後に投げられるような体になっているのはすごく成長を感じた」
完投した2日後の登板を志願した山本の心意気。それを第4戦で誰が引き継ぐのか。
当然、大谷にその期待がかかり、二回に先制したまでは良かったが、三回、ウラジーミル・ゲレロJr.に対し、スイーパーが抜けて真ん中高め目へ。絶対ミスしてはいけない相手に対して痛恨のミスだった。
「明らかな失投。悔やまれる1球だったなというのは、結果論からするとその通り」
もともと、前日の疲労からか、初回からグラブサイドに引っ掛ける球が少なくなかった。
こういうケースでは過去、気持ちと体の動きにブレのあるパターンが多く、力が入りすぎたりすると、体がついてこない。
今回はどうだったのか。勝てば王手という気負い、疲労、体の動き。それぞれのバランスにブレはなかったのか?
大谷は、「2時くらいにベッドに行った。それなりに睡眠は取れたので、昨日の試合について、どうこう言うつもりはない」と断ってから、「単純に自分の動き、技術的な動きの部分が、ブルペンの時からよくなかった。そういう試合は過去にもありますし、そういうときにどうするか、という話。その中でも6回まで粘ることはできた」と説明した。
ブルペンのときからしっくりせず、悪いなりに試合をまとめたことは、自分なりに納得。
だが、こう続けた。
「やっぱり七回、先頭も含めて2人。あそこが一番悔やまれる」
大谷は無死二、三塁で降板。その2人の走者がいずれも生還した時点で、半ば勝負あった。