WBC経験者が選んだ、侍ジャパンメンバー30人

元中日監督・与田剛が選ぶWBC侍ジャパンメンバー30人(投手・捕手編) リードを重視して選んだ3人のキャッチャー

永松欣也

短期決戦は「我慢して使おう」と思わないこと

ポストシーズンの無失点記録を13試合に伸ばしている石井(右から2人目)も与田氏はピックアップ 【写真は共同】

 前回大会はダルビッシュ有(パドレス)の存在が、チームにとっては成績以上に大きかったとも言われていました。短期間の国際大会になるとダルビッシュのような経験豊富な選手は貴重です。でも私はその役割のためだけに誰かを呼ぶのではなく、完全に戦力として期待できる選手を呼びたいですね。前回大会のダルビッシュももちろん戦力として呼ばれていたと思いますし、たまたま立場的にも年齢的にも彼がそういう役割というか、「俺がやるんだ」ということになったと思うんです。

 2009年のときもイチローがチームを引っ張ってくれました。でも原辰徳監督はキャプテンを置かない方針でしたので、イチローをキャプテンに任命したわけではありません。イチローが自然にキャプテンのような存在になっていったのです。ですから今回はダルビッシュを選びませんでしたが、集まった14人ないし15人のピッチャーから、自然とそういったリーダー的存在のピッチャーは現れると思います。

 中継ぎに回ってもらうピッチャーの中には、球団ではエース級でもあるピッチャーもいます。そこを「今回は中継ぎで」とお願いするわけですけど、私がコーチをしていたときは、そこは割り切ってお願いしていました。逆に先発で考えていると伝えたピッチャーに対しても「常に先発で使うことは確約できない」「調子が上がってこなければ中継ぎに回ってもらうこともある」ということも丁寧に話して理解してもらっていました。短期決戦ですから、いくら実績があっても「我慢して使う」ことは考えませんでした。その辺は選手たちも分かってくれていましたね。

リードを重視して選んだ捕手3人

巨人・岸田行倫(右)を与田氏は真っ先に名前が浮かんだという 【写真は共同】

 キャッチャーはリードを重視して選びました。肩の強さももちろん大切ですが、リードを重視したのは短期決戦になるため、どれだけ短い期間でピッチャーの能力を把握できるか、良い雰囲気を作れるか、どれだけ気持ちよく投げさせることができるか。そういったことが非常に大切だと思うからです。

【捕手(3人)】
岸田行倫(巨人)
山本祐大(DeNA)
田宮裕涼(日本ハム)


 そういった点も踏まえてキャッチャーを見たときに、まず一番に名前が浮かんだのが岸田でした。阪神の坂本(誠志郎)もそういった面は非常に長けていると思いますし、キャッチングも非常に優れています。ただ、リードに加えてバッティング、肩という点も含めてトータルで考えると、坂本はこの3人の次に来るかなと私は思いました。田宮選手については、加えて俊足であるというのも選んだ理由になります。

 私が監督だったらですが、今大会は岸田を軸に若いこの3人で臨んでみたいですね。

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著者プロフィール

1976年、大分県速見郡生まれ。多くのスポーツサイトの企画・編集、ディレクターなどを経てフリーランスに。現在は少年野球、高校野球サイトのディレクターを務めながら書籍の企画・編集も行っている。主な書籍は『星野と落合のドラフト戦略』『ジャイアンツ元スカウト部長のドラフト回想録』『回想 ドラゴンズでの14年間のすべてを知る男』など。

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