WBC経験者が選んだ、侍ジャパンメンバー30人

元中日監督・与田剛が選ぶWBC侍ジャパンメンバー30人(投手・捕手編) リードを重視して選んだ3人のキャッチャー

永松欣也

与田氏はポストシーズンからドジャースで後ろを任された佐々木朗希を抑えの軸に据えた 【写真は共同】

 来年2026年3月に開幕する「ワールドベースボールクラシック2026」。前回大会の侍ジャパンの優勝も記憶に新しいですが、今回はどんなメンバーが選ばれるのでしょうか? そこで今回は、最終メンバー発表を前にWBCの舞台を経験している評論家の方々に「自分が監督ならば」という目線で、30人のメンバーを選んでもらいました。

 第1回目はピッチングコーチとして2009年、2013年大会を経験している与田剛さんに選んでいただきました。まずは投手と捕手を見ていきます。

ピッチャー14人を選んだ2つのポイント

 ピッチャーは前回大会では15人が選ばれていましたが、私は大谷翔平は一旦外野手登録(DH)に含めましたので、大谷を含まずに次の14人を選びました。

【投手(14人)】
佐々木朗希(ドジャース)
山本由伸(ドジャース)
松井裕樹(パドレス)
今永昇太(カブス)
千賀滉大(メッツ)
菊池雄星(エンゼルス)
及川雅貴(阪神)
石井大智(阪神)
髙橋宏斗(中日)
松山晋也(中日)
杉山一樹(ソフトバンク)
伊藤大海(日本ハム)
宮城大弥(オリックス)
今井達也(西武)
※大谷翔平(ドジャース)


 先発投手は毎大会4、5人で回していますから、このメンバーの中ではまず山本、伊藤、今永の3人。そこに菊池、あるいは千賀を含めた4、5人の構成です。

 大谷ももちろんピッチャーとして使いたいですが、WBCの時期にどういったコンディション、体調で合流してくれるのか次第ですね。肘を手術してようやく今シーズン後半から少しずつ投げられるようになったばかりですし、ワールドシリーズまで二刀流としてフル回転で戦って、短いオフを経ての合流になるわけです。その辺は彼の体調面を最優先に考慮しないといけないと思います。今回のWBCでも二刀流をやるか、投打どちらかに専念したいかは、本人に任せる形になるのではないでしょうか。「ピッチャーもやります!」ということであれば、先発、抑えどちらでも使いたくなりますけどね。

 抑えはポストシーズンからドジャースで後ろを任された佐々木を軸に、杉山、松山を含めた3人で行きたいですね。

 中継ぎは石井、松井、及川、いわゆる第2先発として今井、宮城、髙橋を選びました。メジャーリーガーも良い左打ちのバッターが多いですし、左バッターだから左ピッチャーで行くという短絡的なことではなく、バランス的にというか、次のピッチャーに対する影響力などを考えて、左の松井と及川を選んでいます。

 今井、宮城、髙橋はゲームの途中からでも投げられる素晴らしい瞬発力も持っていますし、先発で予定しているピッチャーの調子が上がってこなければ代わりに先発をしてもらうこともあるかもしれません。

 今回ピッチャーを選んだ基準は、1つはゾーンで勝負ができること。もう1つは自信を持って投げられる変化球を持っていることです。スピードだけでは外国人打者は抑えられませんから。2009年、2013年にコーチをさせていただいたときもこの2つは重視していました。特にタテの変化球ですね。フォーク、スプリット、緩いカーブがあれば通用する確率がかなり上がってきます。特にカーブは国際試合ではより効果を発揮すると思います。逆に横の変化球には彼らは結構対応するんです。

 ピッチャーの人選は最後まで悩みました。右の先発、第二先発候補として村上頌樹、才木浩人(ともに阪神)、左だと隅田知一郎(西武)、東克樹(DeNA)、後ろでは平良海馬(西武)、西口直人(楽天)。このあたりのピッチャーも十分通用すると思うのですが、いろいろと考えた結果、最後に漏れてしまった感じですね。

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著者プロフィール

1976年、大分県速見郡生まれ。多くのスポーツサイトの企画・編集、ディレクターなどを経てフリーランスに。現在は少年野球、高校野球サイトのディレクターを務めながら書籍の企画・編集も行っている。主な書籍は『星野と落合のドラフト戦略』『ジャイアンツ元スカウト部長のドラフト回想録』『回想 ドラゴンズでの14年間のすべてを知る男』など。

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