大谷翔平の2本塁打、2二塁打、5四球にスタジアムが揺れた夜 延長18回の死闘で数多くの記録を打ち立て、翌日のマウンドへ
数多くの記録を残し、明日の登板へ
三回に放ったこの最初の本塁打は、今年メジャー18年目のベテラン、マックス・シャーザーも目を疑ったのではないか。
打ったのは、見逃せばボール球という内角高めの真っ直ぐ(95.1マイル)。シャーザーがまだ95マイルを投げられることにも驚いたが、大谷翔平は過去、このコースの95マイル以上の4シームをスタンドまで運んだことはなかった。
そもそもヒットは9本のみ。見逃しのボールが53.1%だが、振った場合は、空振りが41.5%。ファールが37.7%。振ってヒットになったのは6.9%。そんなコースであり、捕手が構えたのも内角高め。攻めとしては完璧だった。
ところが、腕をうまく内側から入れて角度をつけると、打球が右翼席に消えた。
五回の二塁打も、ファンの心を揺さぶった。
内角高めのスイーパーを捉えたが、過去、このコースの左投手のスイーパー/スライダーをヒットにしたのは2本のみ。反対方向への長打は初めて。捕手は外角低めに構えていたので逆球なのだろうが、ミスとしては悪くない。
何よりこのタイムリー二塁打は、2対4と逆転され、ブルージェイズに傾きかけた流れを引き戻す意味でも、値千金。2死後、フリーマンの適時打で大谷が同点のホームを踏み、試合を振り出しに戻した。
相手のジョン・シュナイダー監督は試合後、「彼には、バットを振らせない方がいいと判断した」と話し、「明日以降も?」と聞かれると、「そうだな」と頷いた。
点差がついた展開ならまだしも、僅差では勝負を避けられそう。
さて、これだけの1日。当然、記録ずくめになった。
・1試合9出塁は、ポストシーズン全体の新記録。これまではケニー・ロフトンらの6回が記録だった。
・1ポストシーズンで8本塁打は、ドジャース最多タイ。メジャー記録はランディ・アロザレーナ(当時レイズ)の10本(2020)
・1試合4敬遠は、ポストシーズン史上初
・マルチ本塁打は今ポストシーズンで3試合目。これは史上初。
・1試合12塁打以上は、このポストシーズンで2度目。過去、それを達成したのはベーブ・ルースのみ。
・1試合4長打は、1906年のワールドシリーズ第5戦、フランク・イスベル以来2人目
おそらくこれ以外にも、まだまだ、記録がありそう。
ただ、本人は試合後、試合を中継したFOXのインタビューに応じて、こう答えている。
「勝ったのが、すべてかなと思うので、自分のプレーというのは後から振り返ればいい。今日はもう切り替えて明日の登板に備えたい」
そして続けた。
「早く帰って寝て、明日に備えたいです」
大谷は延長十一回に敬遠され、ムーキー・ベッツのレフト前ヒットで二塁に走った際、足が痙攣したよう。本人が違和感を訴え、トレーナーらが飛んでいったが、デイブ・ロバーツ監督は試合後、「明日は投げられるだろう」と話した。
「大丈夫だ。いける!」
(企画構成:スリーライト)