MLBポストシーズンレポート2025

大谷翔平の2本塁打、2二塁打、5四球にスタジアムが揺れた夜 延長18回の死闘で数多くの記録を打ち立て、翌日のマウンドへ

丹羽政善

大谷翔平は七回にソロホームランを放ち、ベースを回りながら歓喜の表情を見せた 【Photo by Mary DeCicco/MLB Photos via Getty Images】

客席が揺れた七回の本塁打

 ファンにとって、ここまで声が枯れる試合は、なかなかないのではないか。

 延長十八回での決着は、ワールドシリーズ史上最長タイ(2018年ワールドシリーズ/ドジャース対レッドソックス第3戦)。6時間39分という試合時間は、ワールドシリーズ史上2番目の長さ。最長は7時間20分(同上)。
 クレイトン・カーショーが延長十二回、2死満塁の場面で登板し、ネーサン・ルークスを二塁ゴロに抑えた。これが現役最後の登板か? 有終の美?

 延長十八回表、2日前の試合で完投した山本由伸がブルペンで準備を始めた。十八回裏、試合に決着がつかなければ十九回から登板予定だった。

 ウィル・クラインが最後、4イニングを投げて勝ち投手に。これまで投げた最長イニングは二回。明日、自分へのご褒美はポケモンカードの爆買い。

 本塁と三塁のタッチアウトが、両チームそれぞれ一回ずつ。 暴走? 好守備?

 佐々木朗希が八回のピンチでマウンドに上がると、一回2/3を無失点に抑えた。八回は最後、2死二、三塁を凌いだ。

 ただやはり、冷静に試合を俯瞰すれば、大谷の活躍が、出色だった。

 客席が揺れたのは七回のこと。

 同点の七回表、先にリードしたのはブルージェイズ。ウラジーミル・ゲレロJr.の激走で、1点を勝ち越した。

 しかしその裏、1死走者なしで打席に入った大谷は、初球――真ん中の4シームを捉えると、打球を左中間へ。打球音、角度、高さから本塁打と確信したファンは、総立ち。やがて白球が客席に吸い込まれると、蜂の巣を突いたような騒ぎとなり、大谷も走りながらガッツポーズ。ネット裏にいたマジック・ジョンソン(元NBA選手、ドジャースのオーナーの1人)も周りのファンとハイファイブを交わし、球場全体が、興奮のるつぼと化した。

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著者プロフィール

1967年、愛知県生まれ。立教大学経済学部卒業。出版社に勤務の後、95年秋に渡米。インディアナ州立大学スポーツマネージメント学部卒業。シアトルに居を構え、MLB、NBAなど現地のスポーツを精力的に取材し、コラムや記事の配信を行う。3月24日、日本経済新聞出版社より、「イチロー・フィールド」(野球を超えた人生哲学)を上梓する。

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