MLBポストシーズンレポート2025

記録尽くしの投球でも山本由伸は「すごいですね」と他人事? 大谷翔平は貴重な「つなぎ」の打撃で第2戦の勝利に貢献

丹羽政善

大谷はしぶとい打撃で山本の完投を援護

八回、バットを折りながらもしぶとく打球をライト前に運んだ大谷翔平 【Photo by Gregory Shamus/Getty Images】

 さて、ドジャースは七回にウィル・スミスとマックス・マンシーのソロ本塁打で3対1とリードしたが、2点差のままだったら、山本を最後まで行かせたかどうか。ワンチャンスで同点なのである。

 おそらく、八回に追加点を奪ったことで、山本にもチーム全体にも余裕が生まれたが、そこで貴重な働きをしたのが大谷翔平だった。1死一塁で打席に入ると、バットを折りながらも打球を右前に運びチャンスを広げると、その後、ドジャースは2点を追加。そこで勝負あった。

 前日の試合では二回と三回、追加点の好機をいずれも逃し、ロバーツ監督は、「ポイントとなる打席でヒットが出なかった。もっといい攻めができたはず」と苦言を呈した。

 大谷も二回、二死満塁の場面で一塁ゴロに倒れている。

 あそこで1本出ていれば、というところだったが、この日は、そんな場面で1本が出た。その後は相手が自滅。山本の完投は、そういう流れの中で必然だった。

 ちなみに山本。昨年のポストシーズンデビュー(対パドレス)では、3イニングで5失点。それ以降の7試合では、44回1/3を投げて、自責点8、40三振、防御率1.62。ドジャースの勝敗は、6勝1敗となっている。

 会見を終えた帰り際、ボールを振らせた割合が42%だったことを伝えると、「すごいですね」と、まるで他人事。すごいのは、他の誰でもない山本自身なのに。

(企画構成:スリーライト)

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著者プロフィール

1967年、愛知県生まれ。立教大学経済学部卒業。出版社に勤務の後、95年秋に渡米。インディアナ州立大学スポーツマネージメント学部卒業。シアトルに居を構え、MLB、NBAなど現地のスポーツを精力的に取材し、コラムや記事の配信を行う。3月24日、日本経済新聞出版社より、「イチロー・フィールド」(野球を超えた人生哲学)を上梓する。

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