MLBポストシーズンレポート2025

ブルージェイズ打線の完勝に終わったWS第1戦 大谷翔平の第1号が明日以降の「いい攻め」につながるか

丹羽政善

大谷が打たなければワールドシリーズに勝てない

六回に代打満塁打を放って喜ぶアディソン・バーガー 【Photo by Gregory Shamus/Getty Images】

 さて、試合を改めて総括すると、ドジャースの投手陣にブルージェイズ打線がどう挑むか――という昨日書いた見立ては、やはり間違っていなかった。

 ブルージェイズ打線は同点の六回に、ポストシーズンでは5連勝中で、この日の試合前まで14イニング連続無失点だったブレーク・スネルを引き摺り下ろすと、代わったエメ・シーハン、アンソニー・バンダに襲いかかり、六回だけで一挙9点を挙げて、試合を決めた。ブルージェイズ打線の完勝に終わったのである。

 ただ、試合そのものは中盤までドジャースペース。二回に1点を先制し、三回に1点を追加すると、主導権を握った。ところがドジャースは早々に試合を決められる可能性のあった場面で、それをフイにした。

 二回は1点を先制し、なおも1死満塁のチャンスだったが、アンディ・パヘスが三振、大谷が一塁ゴロに倒れた。三回は、ウィル・スミスのタイムリーで追加点を挙げたとき、フレディ・フリーマンが二、三塁間で挟まれた。あの走塁ミスが痛かったが、スミスはその後、三塁まで進んだ。そこでタイムリーが出なかった。

 その点を試合後、デイブ・ロバーツ監督も「ポイントとなる打席でヒットが出なかった。また、そういうときは、逆方向に打ったり、四球を選んだりということも求められるが、それができなかった」と指摘している。

「もっといい攻めができたはず。1番から9番まで、一人ひとりが工夫を心がけなければいけない」

二回の2死満塁の場面で二塁ゴロに倒れた大谷翔平 【Photo by Richard Lautens/Toronto Star via Getty Images】

 当然、先ほど触れた大谷の二塁ゴロにも話が及び、「あの満塁の場面で大谷なら、こっちも望んだ展開」としながらも、「(トレイ・)イェサベージが、うまく低めに投げた」と相手をたたえた。

「まあその後、翔平はホームランを打ったので、その流れを明日以降に繋げてほしい」

 ホームランとまではいわなくても、二回の2死満塁での場面で大谷にタイムリーが出ていれば、試合の行方が変わっていた可能性が高い。少し前、ロバーツ監督は「翔平が打たなければ、ワールドシリーズを制すことはできない」と話したが、まさにああいった場面で1本が出るかどうか、ということなのだろう。

 クラブハウスを後にする大谷とすれ違った。もどかしさが少し、表情に滲んでいた。

(企画構成:スリーライト)

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著者プロフィール

1967年、愛知県生まれ。立教大学経済学部卒業。出版社に勤務の後、95年秋に渡米。インディアナ州立大学スポーツマネージメント学部卒業。シアトルに居を構え、MLB、NBAなど現地のスポーツを精力的に取材し、コラムや記事の配信を行う。3月24日、日本経済新聞出版社より、「イチロー・フィールド」(野球を超えた人生哲学)を上梓する。

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