カーリング界の次世代エース有力候補、三浦由唯菜が過ごす多忙なシーズン 2030年へ向けて語った覚悟
男子のSC軽井沢クラブ、女子のフォルティウス、ミックスダブルスの小穴・青木ら3チームの日本代表をはじめ、各チームが渡航しそれぞれ強化を重ねている。
既に2勝を挙げた中部電力(Kitazawa)、新設されたU-25のグランドスラムで優勝したロコ・ドラーゴ(Maeda)らの活躍が目立ったが、個人で言えば存在感を放った選手の一人が札幌国際大学の三浦由唯菜だろう。
初の五輪出場は2026年では叶わなかったが、そこで得たモノ
「チームとして一投一投決めるってことができれば世界にも通用するということが分かり、より練習も真剣に取り組めるようになりました」とは世界ジュニアを通して彼女が得た経験だという。
そして今季は上記の2022年の世界ジュニア金メダル獲得時に共闘した上野美優や上野結生との縁もあり、9月の日本代表決定戦にSC軽井沢クラブのメンバーとしてスポット参戦した。全7試合に出場し、ダブルラウンドロビンの1位通過の原動力となり、一時は日本代表の座に王手をかけた。
最終的には尻上がりにショットをまとめてきたフォルティウスに屈してしまったが、リードとして安定感を増した金井亜翠香、チャンスメイクを担うサードの上野結生のショットを繋ぎ、エンドごとに攻守のスイッチャーとして機能していた。SC軽井沢クラブの善戦は彼女の働きによるものも大きかっただろう。
大会後「焦らずプレーはできていたと思う」と振り返りながらも「個人的には(大会)後半のドローでチャンスを作れなかった」ドローショットの精度に課題を見出していた。
そして何よりも「代表決定戦を経てオリンピックの舞台で闘いたいという気持ちがより強くなりました」と語る。
「そこへ行くには計り知れないほどの努力と揺るがない覚悟が必要だと感じました。2030年に向けて戦うという覚悟を持ち、その舞台に立つことがふさわしいと周りから思っていただけるような努力をしていきたいです」
9月中旬からはひと足先に渡航していた池⽥葉南、鈴木凛、 敦賀⼼⽻⼦ら札幌国際大のチームメイトとカナダで合流し今季の海外ツアーをスタートさせると、アルバータ州ボーモントで行われた新設のU-25のグランドスラムでは準優勝という快挙を果たす。
しかし、それでも三浦は決して満足していなかった。若い世代の大会ながらも準優勝ができて、世界のトップとの距離が測れたのではないか、そう質問を受けたが、以下のように言い切った。
「近づけたような、でも世界の頂点を取るには程遠くまだまだ険しい道がある。そんな感じがしました。カナダでの遠征を通して成長し遠征最後の大会でファイナルまで進出できたことはすごく自信になりました。ただ、常に勝っていくチームにはまだ遠く、今回出た課題をまた1つずつ練習を重ねて強くなっていきたいです」
今季は全3戦に出場した夏の北海道ツアー終了時にも「よりチームにあったものは何か。その状況で最適解が何か。その部分を(自軍のショットなどの)リズムを大切にしながら取り組みたい」とスキップとして自身の課題に作戦面を挙げていたが、試合をするたびに課題を見つけ、それを地道に練習で根気を持って潰していく。「こっちが止めないといつまでも練習している」と札幌国際大の新井貢監督が三浦について苦笑いで語っていたが、アイス内外で何事にも真摯に向き合うタイプだ。
21歳でまだまだジュニアの大会にも出場できる若手の部類に入るが、氷上部には前述の池⽥、鈴木、 敦賀ら何人も後輩ができた。
「ちゃんと少し慕ってくれるのがうれしくて『ここどうすればいいんですか』って積極的に聞いてくれるので『いい部活だなあ』と思ってます」
そしてそれは「自分のフィードバックにもなって、いい機会」と人柄はやはり実直だ。
「すごく真面目で硬いかなとは自分でも思います。親を怒らせたりとか、そういうこともあんまり(ない)」と本人も認めるが、好きな選手は常勝軍団スイス代表のフロントエンドを担うセリーナ・ビチョンケで「すごくパワフルでパッションも感じるところがすごく好きです」と自身とタイプの違う選手を挙げたりもする、振り幅の大きなキャラクターの持ち主でもある。