ドラ1候補!侍J大学代表に選出、東都でも屈指の本格派右腕/評価急上昇中の万能大型サウスポー
今回は東都大学野球で1位指名の可能性もある左右の本格派投手を取り上げます。
公立高校出身ながら抜群のスケール! 東都でも屈指の大型本格派右腕
【将来像】森下暢仁(広島)
少しフォームは違うが高い位置から投げ下ろすボールの角度はイメージが重なる
【指名オススメ球団】オリックス
投手陣の底上げが必要で九里亜蓮の後釜候補として
【現時点のドラフト評価】★★★★☆
1位指名の可能性あり
投手陣のレベルの高さでは全国でも1、2を争う亜細亜大。その中でもエースとして活躍しているのが齊藤汰直だ。出身は兵庫県立武庫荘総合高校。武庫工業と武庫荘高校が統合されて2003年4月に開校した学校で、齊藤は高校時代から近畿地区では評判となっていたが、早くから大学進学が決まっていたということもあって、当時のピッチングを見たことはなかった。
初めて現地で投球を見たのは1年春のリーグ戦、対国学院大戦だった。2点ビハインドの7回から登板すると、最速149キロのストレートで相手打線を圧倒し、三者連続三振で1回を無失点に抑えて見せた。体はまだ細かったが、右足一本で立った時の姿勢の良さと高い位置から投げ下ろす腕の振りは素晴らしいものがあり、間違いなく大器だと感じたのをよく覚えている。
その後は期待されながらなかなか目立った結果を残すことはできなかったが、3年春には先発で4勝をマークするなど主戦へと成長。秋は調整遅れでリリーフに回り、今年春も最初の登板で中指の爪を割った影響で戦列を離れた時期はあったが、リーグ戦後には大学日本代表にも選出され、日米大学野球でも第4戦で先発を任されて4回を投げて被安打2、2失点ながら7奪三振と見事な投球を見せた。
そして迎えた最後のシーズン、直近でその投球を見られたのが10月7日の東洋大戦だ。4回1/3を投げて被安打5、1失点で降板と結果としてはもうひとつだったが、それでも随所に成長を感じさせる投球だった。特に素晴らしかったのが変化球だ。決め球のフォークボールはストレートと変わらない腕の振りとボールの軌道から鋭く落ち、落差も申し分ないため打者はなかなかとらえることが難しい。また120キロ台のスライダー、130キロ台のカットボールもスピードと変化にバリエーションがあり、あらゆるパターンで組み立てることができていた。
気になったのはストレートの出力で、立ち上がりは最速148キロをマークしたものの、徐々にスピードダウンして3回以降は140キロ台前半が大半となっていた。春から夏の日米大学野球、秋のリーグ戦と休みなく投げてきた疲れもありそうだが、プロの一軍で勝負するにはもう少しアベレージのスピードを上げたいところだ。
ただ体つきや目立った悪い癖のないフォームを見てもまだまだ成長の余地は残されているように見える。ある程度の完成度がありながら高い将来性も備えている点を評価する声も多く、1位の12人に入ってくる可能性も高そうだ。