松山英樹は大会の主役 日本開催PGAツアーを盛り上げた賞金王経験者たち

北村収

アジアと日本の両方でトップを狙う比嘉一貴は、松山英樹の前で成長を披露

大ギャラリーの前で好プレーを見せた比嘉一貴 【Photo by Yoshimasa Nakano/Getty Images】

 アジアンツアーと日本ツアーの両方で年間王者争いの主役に立っている比嘉一貴。アジアンツアーではポイントランキング2位、日本ツアーでは賞金ランキング2位につけている。アジアと日本を行き来する比嘉のスケジュールは超過密だ。前週もインドネシアのアジアンツアーに出場しており、6日(月)に帰国しての強行出場となった。

 アジアと日本を主戦場とする比嘉が、過密日程の中でPGAツアー出場を決めた理由は、東北福祉大学の先輩・松山英樹との練習ラウンドのためだった。ところが行き違いがあり、実現はならなかった。

 アジアでも日本でもないPGAツアーのためノンプレッシャーで臨んだベイカレントクラシックでは、自身の記録を更新するプレーを披露。大会2日目には「プライベートも含めてベスト」というハーフ「28」をマークした。「日本で1年に1回だけという大事なPGAツアーの試合で、人生で初めての経験ができたのは本当にラッキーだなと思います」と笑顔を見せた。

 その勢いは最後まで続いた。最終日は練習日に約束しながらも回れなかった松山英樹と同組に。「試合で一緒に回るのは、僕がアマチュアだった2016年以来だったのでうれしかったです」と喜んだ。松山の組を囲む大ギャラリーの前でも堂々たるプレーを披露し、「ギャラリーは松山さんに来ると思っていたけど、僕にも大歓声が起こって、自分も見てもらえていると感じました。多くの人の前でいいプレーができたのは誇らしかった」と語った。
 さらにラウンド後には冗談交じりにこう振り返った。「今日は勝てたので少しは近づけたかなと。これ見たら怒られるけど(笑)。僕が絶好調で、松山さんが絶不調なので。でも試合で松山さんと一緒に回れて、途中までいいゴルフができたのは、自分の中で成長を感じられた部分でした」。また、松山もテレビのインタビューで比嘉のことを「一貴と試合でプレーをするのは久々ですけど、彼も苦しんでアジアとかヨーロッパとか行って、その経験がすごく生きているんじゃないかというプレーが見られたのですごく嬉しい気持ちです」と感想を語った。

 アジア&日本でのトップ争いを行なっている比嘉は、憧れの先輩である松山英樹と日本の大ギャラリーの前で、さらなる成長を証明した。

日本で久々の凱旋試合、中島啓太が最終日に意地のチャージ

今年、日本では初めてのトーナメント出場となった中島啓太 【Photo by Kenta Harada/Getty Images】

 2023年の日本ツアー賞金王・中島啓太にとって、今大会は久しぶりの日本での試合だった。賞金王獲得後に得たDPワールドツアー(欧州ツアー)出場権を行使し、2024年からは欧州を主戦場にしており、日本でプレーするのは今年初めてとなった。

「日本でプレーするのが今年1回目なので、すごく楽しみですし、良いプレーを見せたい」と意気込んで臨んだが、3日目を終えて1オーバーの44位タイと満足のいく順位ではなかった。

 それでも最終日には意地を見せ、6バーディ・1ボギーで5つスコアを伸ばした。
 日本でのPGAツアー参戦を終えた中島は、再びDPワールドツアーの舞台へと戻っていく。

 この大会は、かつて日本ツアーの賞金王として頂点を極めた選手たちが、いまやそれぞれの舞台で培った経験と誇りを胸に、日本の地で再び輝いた瞬間でもあった。彼らの挑戦が、次世代のゴルファーたちに新たな夢と目標を与えることは間違いない。日本開催のPGAツアーは、単なる一試合ではなく、日本ゴルフを未来へとつながる架け橋にもなっている。

2/2ページ

著者プロフィール

1968年東京都生まれ。法律関係の出版社を経て、1996年にゴルフ雑誌アルバ(ALBA)編集部に配属。2000年アルバ編集チーフに就任。2003年ゴルフダイジェスト・オンラインに入社し、同年メディア部門のゼネラルマネージャーに。在職中に日本ゴルフトーナメント振興協会のメディア委員を務める。2011年4月に独立し、同年6月に(株)ナインバリューズを起業。紙、Web、ソーシャルメディアなどのさまざまな媒体で、ゴルフ編集者兼ゴルフwebディレクターとしての仕事に従事している。

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント