MLBポストシーズンレポート2025

イチロー氏が「頭を使っている」と称えるブリュワーズとは? 無名の選手「アベレージ・ジョーズ」たちがエリート集団に挑む

丹羽政善

年俸総額2位と23位との対戦の行方は?

今季6戦全敗「天敵」ブリュワーズとのリーグ優勝決定シリーズ。キーマンは間違いなく大谷翔平だ 【Photo by Kait Devir/MLB Photos via Getty Images】

 ちなみにシーズン中の成績を少しだけ紹介すると、本塁打はドジャースが244本で両リーグ2位だったのに対し、ブリュワーズは166本で同22位。OPSはドジャースが.768で同2位、ブリュワーズは.735で同11位。しかしながら、得点はブリュワーズが806点で同3位。ドジャースが同2位で825点。ほとんど差がない。

 なぜか? そこを辿れば、両チームの戦い方が透ける。

 投手力に関しては、先発の防御率はほとんど変わらないものの、リリーフで差がついている。ただ、ドジャースにはまだ、佐々木という切り札がいなかったときの数字であり、また少し話が違ってくるのではないか。

 いずれにしても、チーム作り、戦い方において対照的な2チームが今回、あい見(まみ)えるのである。

 ちなみに、この対戦には別の視点でも注目が集まる。

 米全国紙「USA TODAY」紙によると、ドジャースの年俸総額は約3億2,129万ドルで両リーグ2位。一方のブリュワーズは、約1億1,514万ドルで同23位。この額でも十分に強いチームが作れるということは、来オフの労使交渉に関係してくる。

 というのも、またドジャースがワールドシリーズを制した場合、「不公平だ。格差是正が必要」として、年俸総額に上限を設けるサラリーキャップ導入の機運が高まり、労使交渉の長期化が予想される。一方、ブリュワーズが勝てば、「お金では優勝は買えない。工夫次第」となって、サラリーキャップの争点化が避けられ、そうなれば合意も早まるのではないかと、みられている。そもそもブリュワーズが勝てば、野球のスタイルが見直されるきっかけになるかもしれない。

 さて、シリーズの行方はどうなるのか? 誰がキーマンとなるのか?

 ロバーツ監督は11日に行われたオンライン会見で、こういった。

「翔平の打撃が低調なままなら、我々がワールドシリーズで勝つことはできないだろう」

 その大谷、投手としての先発は、第4戦が予想されている。

(企画構成:スリーライト)

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著者プロフィール

1967年、愛知県生まれ。立教大学経済学部卒業。出版社に勤務の後、95年秋に渡米。インディアナ州立大学スポーツマネージメント学部卒業。シアトルに居を構え、MLB、NBAなど現地のスポーツを精力的に取材し、コラムや記事の配信を行う。3月24日、日本経済新聞出版社より、「イチロー・フィールド」(野球を超えた人生哲学)を上梓する。

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