日本との深い“縁”でつかんだベイカレントクラシックV 東京五輪金のシャウフェレが10勝目を振り返る

北村収

優勝後は、両親や親戚など、応援に駆けつけた大家族とともに記念撮影。日本と深い縁を持つシャウフェレらしい、心温まる光景だった 【Photo by Yoshimasa Nakano/Getty Images】

 親日派として知られるザンダー・シャウフェレが、オリンピックで金メダルを獲得した日本の地で、再び強さを見せつけた。
 
 神奈川県の横浜カントリークラブで10月9日から12日まで開催された「ベイカレントクラシック Presented by レクサス」。初日はイーブンパーの25位タイと静かなスタートを切ったが、一気にスコアを伸ばしたのは2日目だった。8バーディ、ノーボギーで8つスコアを伸ばし、通算8アンダーで首位と4打差の2位タイに浮上。3日目は時折強い雨が降る厳しいコンディションの中、粘り強いプレーで4つスコアを伸ばし、12アンダーでトップタイに。「天候が難しい中でこの戦いができて誇りに思う」と胸を張った。
 
「今年初めての優勝争いなので嬉しい」とのぞんだ最終日、この日も前半からバーディを積み重ねた。同じく12アンダーからスタートしたマックス・グレーサーマンと伸ばし合いの展開に。8バーディ、1ボギーと7つスコアを伸ばしたシャウフェレが通算19アンダーまでスコアを伸ばし、2位に1打差で昨年7月の全英オープン以来となる優勝を果たした。

シャウフェレの組に集まった大ギャラリー 【Photo by Kenta Harada/Getty Images】

オリンピック金メダルの日本で節目のツアー10勝を達成

 日本でPGAツアー10勝目を挙げた感想を聞かれると、シャウフェレは子どもの頃の話を始めた。

「9歳の時に初めて日本に来ました。祖父母が日本に住んでいるので会いに来て、その時に日本の文化について学びました。ずっと前に日本に恋してしまったんです」とシャウフェレ。そして今年8月下旬に生まれたばかりの息子・ビクター君の話になり、「息子を日本に連れてこられる日が楽しみです。シャウフェレ・ファミリーにとっては日本との深いつながりがあります」と続けた。

優勝会見でのザンダー・シェウフェレ 【Photo by Yoshimasa Nakano/Getty Images】

 シャウフェレ・ファミリーと日本の関係を整理してみよう。台湾生まれの祖父母は日本の渋谷に在住。「祖父は91歳で、今週金曜日に会ってハグをしました。祖母は81歳だったと思います」と高齢ながらも、「年齢の割にとても元気で活動的で、祖父は18ホールを問題なく歩いて回っていました」と元気なエピソードも明かしてくれた。

 さらに母・ピンイーさんは日本育ちで日本語が堪能。ちなみに父のステファンさんはドイツ人の父とフランス人の母を持つ。そして2021年に結婚したマヤ夫人は、母親が日本人である。

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著者プロフィール

1968年東京都生まれ。法律関係の出版社を経て、1996年にゴルフ雑誌アルバ(ALBA)編集部に配属。2000年アルバ編集チーフに就任。2003年ゴルフダイジェスト・オンラインに入社し、同年メディア部門のゼネラルマネージャーに。在職中に日本ゴルフトーナメント振興協会のメディア委員を務める。2011年4月に独立し、同年6月に(株)ナインバリューズを起業。紙、Web、ソーシャルメディアなどのさまざまな媒体で、ゴルフ編集者兼ゴルフwebディレクターとしての仕事に従事している。

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