【わかりやすく解説】アイアンの進化はここまで来た!ロフトのストロング化で広がる「番手別設計」という新発想

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近年のアイアンは「飛んでやさしい」モデルが主流になり、ロフト角のストロング化が一気に進みました。そんな中で注目されているのが、番手ごとに設計を変える“番手別設計”という考え方です。

ロフト角の変化によって生まれた弾道の差をどう補うのか。ゴルフライターの鶴原弘高さんが、今のアイアン選びに欠かせない「番手別設計」について解説します。

ロフトのストロング化で変わったアイアンの性格

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ここ数年、アイアンのロフトはどんどん立ってきています。ロフトを立てることで飛距離は出ますが、そのぶん弾道は低くなりやすく、特にミドル〜ロングアイアンで上がりにくさが目立つようになりました。

もともとアイアンは番手ごとにロフト角とクラブ長を変えて、打ち出し角と飛距離の“階段”をつくるクラブです。ところがストロング化でその階段が急になり、従来の感覚のまま自然に高さと距離を打ち分けるのが難しくなってきたと感じています。

番手別設計とは? 番手ごとの“役割”をクラブが担う

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私の言葉でいえば、番手別設計は「番手ごとに構造や重心位置、素材などを変え、求める弾道をクラブ側で再現する設計思想」です。

ロングは上がりにくいので重心を深くして打ち出しを高くする、ミドルは飛距離と高さのバランスを取る、ショートはあえて弾道を抑えて狙いやすいライナーを出す、こうして番手の“役割”を設計段階で明確にしておくわけです。

要するに、私はいつも通りのスイングをするだけで、番手ごとに必要な球筋や高さをクラブが引き出してくれる、という発想です。

メーカーごとに異なるアプローチ

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番手別設計の取り入れ方は各社で異なります。たとえばミズノの「Mizuno Pro Mシリーズ(M13・M15)」は番手ごとに素材や構造を変え、ロングからショートまで複数タイプのヘッド設計を使い分けています。

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テーラーメイド「P790」は内部構造を見直し、番手間の弾道差がより自然になるようにチューニングされています。PING「i240」やタイトリスト「Tシリーズ」でも、番手ごとに重心位置やタングステン配置を精密に最適化するアプローチが見られます。

同じシリーズ名でも番手によって性格が少しずつ違うのが“当たり前”になりました。

試打は「7番だけ」で判断しない

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番手別設計のモデルを選ぶとき、私は7番だけでの試打判断をおすすめしません。番手ごとに打感や振り心地、つかまり具合が変わるケースがあるからです。

実際、ロングは上がりやすくてやさしいのに、ショートでは思った以上にスピンが効いて低めに狙える、といった“良い差”が出るモデルもあります。

可能ならメーカーの試打会やフィッティング施設で、ロング・ミドル・ショートから最低でも2〜3本は打ち比べてみてください。そこで自分のヘッドスピードや入射角との相性がはっきり見えてきます。

スイングを変えずに理想の弾道を

番手別設計のいちばんの利点は、スイングを変えなくても番手ごとに“最適な球筋”を引き出してくれるところです。

ロフトが立っても構造で高さを補い、ショートは抑えた弾道でピンを狙いやすくしてくれる。ロフトのストロング化とボールの進化が進む現在、そのバランスを取るために番手別設計は欠かせない要素だと考えています。

“飛んで、止まって、狙える”。そんな理想のアイアンショットを、まずは複数番手の試打から確かめてみてください。

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※本記事はスポーツナビが独自で企画したものです。記事内の商品選定や評価はスポーツナビまたは出演者の方の判断にもとづいています。記事内で使用している商品画像はメーカーから画像・サンプルをお借りした上で使用、撮影しています。
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著者プロフィール

ゴルフメディアで活躍する識者たちが、人気のギアを徹底解説! ドライバーからアイアン、パターといったクラブ一式はもちろん、シューズやウェア、距離計など、ゴルファー必須のあらゆるギアをご紹介していきます。

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