痺れる場面で期待に応えた佐々木朗希 窮地救った2球にフリーマン「大きな武器を手に」と太鼓判
首位打者・ターナーを相手に「冷静だった」
例えば、相手投手がブルペンで肩を作り始める。そこで投げているのが佐々木朗希のような新人だと、「こんな場面で投げたことあるのか? ビビってんじゃないのか?」と緊張感を煽るような言葉を浴びせる。
ワンバウンドになったりすると、「オイオイ、ブルペンでもストライクが投げられないのか?」「さっきから1球もストライクが入ってないぞ」などと嘲笑。彼らは、そうやってプレッシャーをかけるのである。
ただ、「英語もわからないので、何を言っているかわからなかった」と佐々木。言葉が話せない、あるいは聞き取れない苦労を散々してきたが、このときほど、助けになったことはないかもしれない。
1点差に詰め寄られた九回2死一、三塁。トレイ・ターナーが打席に向かうと、総立ちのファンが、地鳴りのような声援を送る。ドジャースファンもいるにはいたが、佐々木に届くはずもなく、名前を呼ばれた彼はたった1人でマウンドに向かった。
※フォローすると試合の情報などを受け取ることができます。(Yahoo! JAPAN IDでログインが必要です)
詳しくはこちら
※リンク先は外部サイトの場合があります
「前回登板より(ウォーミングアップの)時間があったので、準備はできていましたし、マウンドに行って、ちゃんとストライクをとる準備ができていた」
確かに、前回のように決して緊急登板というわけではなかった。九回の頭からいくケースも想定して、すでに肩をほぐしてあった。幸か不幸か、ピンチが続いたことで、時間ができた。
とはいえ、相手は今季首位打者のターナー。ミスは許されない。
また、フォークはワンバウンドになるリスクがあり、ワイルドピッチとなれば、三塁走者の生還を許す可能性もあった。
そこには配球の難しさもあったはずだが、佐々木は、マウンド上でこう自分に言い聞かせた。
「とにかくストライクゾーンに投げること。自分でカウントを悪くして、真っ直ぐだけの状態を作らない。そういうことだけ心がけて投げました」