松山英樹ら世界の強豪が横浜に集結! PGAツアー主催となった「ベイカレントクラシック」、チケットもリーズナブルに

北村収

今年5月に行われたトゥルーイスト・チャンピオンシップでは17位タイだった松山英樹 【Photo by Emilee Chinn/Getty Images】

 10月9日から12日までの4日間、横浜カントリークラブに世界の視線が注がれる。日本だけでなくアジアで唯一の米国PGAツアーとなる「ベイカレントクラシック Presented by LEXUS(以下、「ベイカレントクラシック」)」が開催される。松山英樹をはじめとしたメジャーチャンピオンなど世界の強豪選手が賞金総額800万ドル(約12億円)をかけた戦いに挑む。昨年まで日本で開催されていた「ZOZOチャンピオンシップ」よりも一般チケット価格がリーズナブルとなり、より多くのファンが世界最高峰のプレーを間近で体感できる絶好の機会となる。

松山英樹、アダム・スコット、コリン・モリカワ、ザンダー・シャウフェレなどのメジャーチャンプが参戦

「世界トップクラスの選手たちによる一流のPGAツアーイベントを通じて、日本のすべてのゴルフファンに最高のエンターテインメントを届けたい。参加を表明した選手たちとともに、それを実現していきます」。9月上旬に行われた公式会見で、PGAツアーアジア太平洋社長のクリス・リー氏は力強く語った。

PGAツアーアジア太平洋社長のクリス・リー氏 【北村 収】

 出場選手の顔ぶれは、まさに世界レベルだ。

 マスターズチャンピオンの松山英樹とアダム・スコット、メジャー2勝のコリン・モリカワとザンダー・シャウフェレ、さらにメジャー1勝のゲーリー・ウッドランドとウィンダム・クラークらが名を連ねる。

オーストラリアのアダム・スコットもベイカレントクラシックに参戦 【Photo by Richard Heathcote/Getty Images】

 日本人選手も注目選手が勢揃いする。日本ツアーの出場機会が少ないPGAツアーを主戦場とする久常涼と金谷拓実、欧州ツアー(DPワールドツアー)で戦う中島啓太が参戦。また、日本ツアーからは石川遼、蟬川泰果、さらに前週の「バンテリン東海クラシック」終了時点での賞金ランキングに基づく出場者が追加される。

松山英樹が自身の名を冠したアマチュア予選会を開催

 日本のファンの注目を集めるのは、アジア選手として最多となるPGAツアー通算11勝を誇る松山英樹だ。昨年12月の開催発表会見にも姿を見せ、日本開催のPGAツアーを象徴する存在となっている。

 9月22日には、自身の名を冠したアマチュア予選会「Hideki Matsuyama Amateur Challenge Presented by LEXUS」を開催。松山は最終日の定番カラーであるイエローのシャツを身にまとい会場に現れた。「10年以上PGAツアーで戦ってきて、若い選手たちがなかなかPGAツアーに挑戦できない状況が続いていた。だからこそ、こうした大会を早く開催したいと思っていました」と語り、後進の育成にも強い思いをにじませた。もちろん、選手としては「優勝を目指して頑張ります」と力強く宣言した。

松山英樹とアマチュア予選会で優勝し出場権を獲得した小林大河 【写真提供:PGATOUR】

 さらに9月30日には、開催コースと同じ横浜市にある横浜スタジアムでプロ野球の始球式にも登場し、PRに一役買った。大会の“顔”として、そして一人の選手として、「ベイカレントクラシック」に臨む。

コースセッティングは世界基準。PGAツアー平均と一致する7,315ヤード、パー71

 開催コースの横浜カントリークラブは36ホールを有する。今回は西コースから16ホールを選び、さらに東コースの17番・18番をフィニッシングホールとして組み合わせた。なお、西コースと東コースの17番・18番は、2014年から2016年にかけて世界的に著名な設計家であるビル・クーア氏とベン・クレンショー氏により大規模改修を実施。世界的な評価も高いコースだ。

「ベイカレントクラシック」では、7,315ヤード、パー71で実施される。公式会見でトーナメントディレクターのトラビス・スタイナー氏は、「他のPGAツアー大会との比較を申し上げますと、2025年のPGAツアー大会の平均は約7,300ヤードでパー71。今回の設定はその数値に合致しています。距離もパーも、まさにPGAツアーの平均値そのものです」と説明した。世界最高峰のプレーヤーたちが、本場と同じ距離・同じ条件で挑むことになる。

 また、何度も日本ツアーを実施してきた同コースだが、PGAツアーでは独自の組み合わせを実施した。昨年まで開催された日本ツアー「横浜ミナト チャンピオンシップ」で最終18番として使われていた名物Par3(通常営業では西コース9番)が、今回は16番ホールとして登場。スタイナー氏は「16番ホール(パー3)は通常237〜240ヤードでプレーされますが、190ヤードから240ヤードまで状況に応じて大幅に距離を変えることができる」と語った。また、ティーグラウンドからは打ち下ろしで見晴らしがよく、天然の円形劇場のようなロケーションにも触れ、このホールを「コースのシグネチャーホール」と強調した。

16番ホールパー3(9月9日撮影) 【北村収】

 さらに、15番ホールにはフェアウェイ300ヤード地点に新たなポットバンカーを設置するなど、PGAツアー開催に当たって随所に改修を加えた。単に飛距離が長いだけでなく、戦略性の面でもPGAツアーの基準に合わせたコースへと進化している。

トーナメントディレクターのトラビス・スタイナー氏 【北村収】

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著者プロフィール

1968年東京都生まれ。法律関係の出版社を経て、1996年にゴルフ雑誌アルバ(ALBA)編集部に配属。2000年アルバ編集チーフに就任。2003年ゴルフダイジェスト・オンラインに入社し、同年メディア部門のゼネラルマネージャーに。在職中に日本ゴルフトーナメント振興協会のメディア委員を務める。2011年4月に独立し、同年6月に(株)ナインバリューズを起業。紙、Web、ソーシャルメディアなどのさまざまな媒体で、ゴルフ編集者兼ゴルフwebディレクターとしての仕事に従事している。

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