「実質的なワールドシリーズ」ドジャースとフィリーズの戦力はほぼ互角 真っ赤に染まった敵地のマウンドに上がる大谷翔平の思いとは?
実力が拮抗する両チーム
カイル・シュワバーがホームランを打ったとき、一塁ベースを回りながらファンの方を指さした。そこで熱量が一段と上がり、あのときの独特な一体感は特殊な現象として記憶に刻まれた。
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全米的な注目も他のカードとは異なる。地区シリーズではもったいない、リーグを無視すれば、ワールドシリーズで顔を合わせてもおかしくないマッチアップ。米唯一の全国紙「USA TODAY」のボブ・ナイチンゲール記者は「これが、実質的なワールドシリーズ。勝ったほうが、ワールドシリーズを制する」と予想し、フィリーズのマット・ストラームも、「そういう緊張感がある」と認めた。
「いきなり、ワールドシリーズに臨む気分だ」
両チームは、チームカラーも似ていて、力そのものも互角。ドジャースは、大谷翔平、ムーキー・ベッツ、フレディ・フリーマンというビッグ3を中心とした打線が、他を圧倒してきた。フィリーズも、本塁打王争いで大谷を交わしたカイル・シュワバー、トレイ・ターナー、ブライス・ハーパー、J.T.リアルミュートとオールスタークラスがズラリとスタメンに並ぶ。30歳前後の脂の乗ったベテラン勢が主力という点でも、構成を同じくする。
また、ともに先発が安定している。ドジャースは、山本由伸、ブレイク・スネル、大谷、タイラー・グラスノーが、好調を維持。フィリーズは、ザック・ウィーラーが胸郭出口症候群で今季絶望。アーロン・ノラは今季、右足首の捻挫、右肋骨折などで本調子ではないが、プレーオフ前最後の登板では、8回を投げて2安打、1失点、9三振と復調をアピールした。
ただ、今のフィリーズは、彼を必要としないほど左の3本柱が健在。初戦に先発するクリストフェル・サンチェスは今季、32試合に先発し、13勝5敗、防御率2.50。FIPは2.55。WHIPは1.064。WAR8.0で、ベースボール・リファレンス版ではトップ。先発では珍しくシンカー、チェンジアップ、スライダーの3球種しかないが、アームアングルが低く、独特の軌道。また、シンカーとチェンジアップの区別がほとんどつかない。2、3戦目に先発予定のヘスス・ルサルド、ランヘル・スアレスもなかなか手強い。ルサルドの防御率は3.92だが、守備の要素を排除し、純粋な投手の能力のみで計算されるFIPは2.90と低い。
しかし、ドジャースはむしろ、“組み易し”と捉えているかもしれない。
むしろ、フィリーズがドジャースの先発陣に抑えこまれた――という印象の方が強い。9月15日はアンソニー・バンダをオープナーに使ったが、2回からマウンドに上がったエメ・シーハンは、5回2/3を1安打、1失点に抑えた。翌16日は、1戦目で先発する大谷が5回を無安打、無失点に抑えている。17日はブレイク・スネルが7回を2安打、無失点とやはり完璧な内容だった。