MLBポストシーズンレポート2025

山本由伸の快投でドジャースは地区シリーズへ進出! 課題の「魔の八回」は佐々木朗希で克服できるか?

丹羽政善

佐々木朗希をクローザーで起用も?

9回に登板し、三者凡退で試合を締めた佐々木朗希 【Photo by Ronald Martinez/Getty Images】

 ただ、昨日の試合同様、すんなりは終わらなかった。

 前日は、八回から登板したアレックス・べシアがヒットと四球でピンチを招いたところで降板。リリーフしたエドガルド・エンリケスも連続四球などで傷口を広げた。

 この日も八回からマウンドに上がったエメ・シーハンが大荒れ。2安打、2四球で2点を失うと、最後は1-2と追い込んでいる場面で交代を告げられた。

 デイブ・ロバーツ監督は「30球を超えそうだったから」と明かしたが、定まらない制球に業を煮やした。

 その後をべシアが締めたが、四球で2死満塁のピンチを招くなど、相変わらずピリッとしなかった。

 シーズン後半に入って懸念されたリリーフ問題。この2試合は、大量リードしていたおかげで勝敗には影響しなかったが、仮に3対2のまま九回を迎えていたら、誰がクローザーを務めたのか――。

 そんな中で、佐々木朗希が希望を与えた。

 4点の差があったとはいえ、8回裏の段階で佐々木がブルペンで投げ始めたとき、その光景を1週間前、誰が予想しただろうか。

 果たして九回、佐々木が簡単に3人で締めくくると、チームは大きな収穫を手にした。

 試合後、「佐々木はクローザーか?」と聞かれてデイブ・ロバーツ監督は、さすがに「そうだ」とは言質を与えなかったが、「重要な場面で投げてもらう」と話している。

 もはや彼がクローザーとして起用されても、驚かない。

 さて、改めて振り返れば、2試合とも八回を除けば、完勝。

シャンパンファイトでチームメイトと喜びを分かり合う大谷翔平は、フィラデルフィアに向かう 【Photo by Nicole Vasquez/MLB Photos via Getty Images】

 大谷は2試合で、9打数3安打、2本塁打、4打点。ベッツは9打数6安打、3打点。フレディ・フリーマンはまだ静かだが、テオスカー・ヘルナンデスは、10打数4安打、2本塁打、6打点。

 先発が中盤まで試合を作り、打つべき人が打つ。理想的な展開でドジャースは地区シリーズに駒を進めた。

 その地区シリーズ初戦。先発は大谷か? と聞かれたロバーツ監督は、もはや濁すことはなかった。

「その通り。翔平が第1戦で先発する」

(企画構成:スリーライト)

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著者プロフィール

1967年、愛知県生まれ。立教大学経済学部卒業。出版社に勤務の後、95年秋に渡米。インディアナ州立大学スポーツマネージメント学部卒業。シアトルに居を構え、MLB、NBAなど現地のスポーツを精力的に取材し、コラムや記事の配信を行う。3月24日、日本経済新聞出版社より、「イチロー・フィールド」(野球を超えた人生哲学)を上梓する。

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