継続、結束、リーダーシップ… ライダーカップで欧州チームが勝利できた理由

北村収

欧州チームのキャプテンと12人のメンバー 【Photo by Richard Heathcote/Getty Images】

 欧州チームの優勝で幕を閉じた2025年ライダーカップ。優勝会見でロリー・マキロイ(北アイルランド)は「多くの人が不可能だと思っていたことを成し遂げられたことが嬉しいです」と満面の笑みを浮かべた。欧州が米国の地で勝利するのは、2004年オークランドヒルズ、2012年メディナに続き13年ぶり。通算3度目の快挙となる。

米国の怒涛の追い上げで接戦となるも欧州が勝利

 舞台は米国ニューヨーク。大半を米国ファンが占めるギャラリーの中、「オレー、オレ、オレ、オレー」という欧州チーム定番の応援歌があちこちで響いた。ヨーロッパ各国からニューヨークまで駆けつけたファン、そしてテレビやネットで声援を送るファンのために、欧州チームは世界ランキング上位を揃える米国に果敢に挑み続けた。

 ライダーカップはマッチプレー方式で、勝ち1ポイント、引き分け0.5ポイント、負け0ポイントが加算される。初日、2日目の16マッチを終えて欧州は11.5ポイントをとり、4.5ポイントの米国に対し7ポイントのリードを奪った。最終日のシングル戦は12マッチで実施予定だったが、欧州のビクトル・ホブラン(ノルウェー)が首痛のため棄権。対戦予定だったハリス・イングリッシュ(米国)とともに0.5ポイントずつが与えられ、最終日は欧州12ポイント、米国5ポイントからのスタートとなった。

 欧州は2年前のローマ大会を制しており、最終的に同点となる14ポイント以上を獲得すれば防衛成功。つまり11マッチ中2勝で勝利が確定する計算だった。序盤は欧州が幸先良くリードを奪い、欧州の楽勝ムードすら漂った。

 ところが前半7マッチで欧州は1勝5敗1分。スコアは欧州13.5ポイント、米国10.5ポイント。残る4マッチも米国リードかタイという状況で、米国大逆転の可能性が残った。緊張感が頂点に達する中、8番目のマッチのシェーン・ローリーが18番ホールでバーディを奪い引き分けに持ち込み、貴重な0.5ポイントを獲得。これで欧州は14ポイントに到達し、その瞬間欧州のライダーカップ防衛が決まった。

バーディパットを沈め、飛び上がって喜ぶシェーン・ローリー 【Photo by Richard Heathcote/Getty Images】

「18番ホールでバーディーを取らないと防衛は無理だなんて想像もしていませんでした。バックナインは人生最悪の2時間でした」とローリー。「でも18番を歩くときキャディに“今日は人生最高のことをするチャンスだ”と言いました。そしてやり遂げました。自分を誇りに思います」と振り返った。

 最終スコアは欧州15ポイント、米国13ポイント。米国が最終日のシングルマッチで8.5ポイントを稼ぐ怒涛の追い上げを見せ、2012年の14.5対13.5以来もっとも接戦のライダーカップとなった。

継続性を重視したチーム編成が勝利の要因

 2年前のローマで優勝したことで、10年以上も成し遂げられなかったことを成し遂げるための動きが始まったと思います」と欧州チームの優勝会見の冒頭に語ったのはローリー・マキロイ(北アイルランド)だ。「チームの12人のうち11人は同じメンバーです。キャプテンも同じです。2年前のローマでは本当に特別なチームだったと思っていますし、私たちはチームの継続性を重視していた」と話した。

優勝会見で語るローリー・マキロイ 【Photo by Scott Taetsch/PGA of America via Getty Images】

 キャプテンのルーク・ドナルドも「メンバーをしっかり準備し、コミュニケーションを充分取り、計画やアイデア、テーマ、動機を与えれば、そのテーマがチームの結束力を生み出します」と今回の優勝チーム編成の理由を語った。そして「幸運なことに、ローマから同じ人が11人集まりました」と継続性のメリットも話した。

 なお、米国チームは12人のうち2023年にも出場したのは6人。キャプテンもローマの時から変えている。

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著者プロフィール

1968年東京都生まれ。法律関係の出版社を経て、1996年にゴルフ雑誌アルバ(ALBA)編集部に配属。2000年アルバ編集チーフに就任。2003年ゴルフダイジェスト・オンラインに入社し、同年メディア部門のゼネラルマネージャーに。在職中に日本ゴルフトーナメント振興協会のメディア委員を務める。2011年4月に独立し、同年6月に(株)ナインバリューズを起業。紙、Web、ソーシャルメディアなどのさまざまな媒体で、ゴルフ編集者兼ゴルフwebディレクターとしての仕事に従事している。

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