子どもの頃に親に甘えられなかった人が抱えやすい「心のクセ」とは?

MELOS -メロス-
親に愛情を注いでもらっていたとしても、「安心して甘えられる環境」がなかった人は少なくありません。

親に気をつかってしまったり、弱音を出すと否定されるように感じたりすると、子どもは自然に“甘えることを諦める”ようになります。その影響は大人になっても残り、行動や人間関係に表れることがあります。

アスリートへのメンタル指導をはじめ、教育講演や人材育成に携わる、株式会社脳レボ代表・川谷潤太さんのもと解説していきます。

【MELOS】

「安心して甘えられる環境」にいなかった子どもが抱えやすい“心の癖”とは

幼少期に親に甘えられなかった人は、大人になってからもいくつか共通した特徴を持ちやすいといわれます。

人に頼ることに抵抗があり、「迷惑をかけたくない」と感じて一人で抱え込みがち。周囲からは“しっかり者”と見られても、心の中では「本当は頼りたい」と思っていることも少なくありません。

また、「ちゃんとしていないと受け入れてもらえない」という思い込みから無理をして期待に応えようとし、休むことに罪悪感を覚えて燃え尽きてしまうこともあります。

人間関係では距離の取り方が難しく、甘えられないために自ら距離を置いてしまう一方、相手に頼られると「支えなければ」と背負い込み、関係が重く感じられることも。さらに「ありのままでは認めてもらえない」と感じやすく、褒められても受け入れられず、恋愛や仕事が順調でも「自分は十分ではない」と不安を抱えやすい傾向があります。

そして大人になっても「人にどう頼ればいいのか」が分からず、困ったときに黙り込んだり、逆に依存しすぎたりと、バランスが取りにくいこともあるのです。

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大人になってからでもできる! 正しい「甘え方・頼り方」

子どもの頃に親に甘えられなかった人は、「人に頼る=迷惑をかける」と感じやすく、無意識に“全部自分で抱え込む”癖がついています。

大人になってからその癖を変えるのは難しく思えますが、小さなお願いを積み重ねることからなら始められます。

たとえばこんな頼みごとです。

・友人に「この服、どうかな? 似合う髪型教えて」
・同僚に「この資料どう思う? 意見を聞かせて」
・恋人に「ごめん、数分だけ愚痴を聞いてほしい」
・家族に「今日はコーヒーを淹れてもらえたら嬉しいな」


どれも相手の負担にならない程度の小さなことです。こうしたお願いをすると、相手は「頼られて嬉しい」と感じることも多く、実は関係を深めるきっかけにもなります。

最初は「断られたらどうしよう」と不安になるかもしれませんが、お願いが叶った体験を繰り返すうちに、「頼ってもいいんだ」という実感が少しずつ積み重なっていきます。

そして、頼みごとの後に「ありがとう」を添えることも忘れないでください。感謝を伝えることで、相手も気持ちよく受け止めてくれやすくなります。
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