右代啓祐が捉える“三位一体の芸術”やり投 北口榛花のすごさとは
日本人離れした北口榛花のスタイル
さらに彼女がすごいのは、本番に強いということ。120%の力を出すという「本番力」は、目を見張るものがあります。練習でそこまでの距離を投げていなくても、本番で自分の力を超えたものを出せる。ゾーンに自分を入れるのがうまいんでしょうね。
今年は、肘の故障があって2カ月くらい投げられなかったようですが、8月のダイヤモンドリーグで復帰し、ファイナルでは60m72を投げました。もうかなり回復しているようなので、今大会での故障の影響はもうないだろうと思っています。「北口さんはもう戦闘態勢に入っているな」と僕は感じています。
スタジアムの熱気で選手と観客が一体に
スポーツの楽しみ方にはいろいろな形があると思います。でもやはり現場でその空間を感じ、生の選手の姿を見るというのが、何よりスポーツの魅力を体で感じることができると思うので、可能ならばぜひ国立競技場に足を運んでもらいたいですね。今回お伝えした、僕のような競技者から見る観戦ポイントの答え合わせをしながら、自分ならではのオリジナルな視点を見つけてもらって楽しんでもらえればと思います。
(企画・編集/リファイド)
右代啓祐
その後も、2012年には48年ぶりとなる日本人選手として五輪初出場。2014年・2018年アジア大会では金メダルを獲得するなど目覚ましい活躍を続けている。現在は、国内主要大会に出場する現役選手として日々鍛錬する傍ら、母校でもある国士舘大学では陸上部の指導はもちろん、同校准教授として教壇にも立つ他、アスリートとしての陸上競技の競技力向上・普及活動にも注力している。