大谷翔平のクローザー論が再燃!? ロバーツ監督も示唆「勝つチャンスが高まるなら…」
クローザー不在の苦しいブルペン事情
ファンの1人は「近くに子どもがいるなら、この先は見ないでくれ」と警告してから、放送禁止用語を連発。「アイツらは1死も取れないのか!」と2人のリリーフに罵詈雑言を浴びせた。それをうっかり最後まで見てしまったがために、同じような動画を、さらに見せられる羽目になった。
怒りも理解できる。特にスコットはその前日も9回2死からサヨナラ本塁打を許した。山本が前回登板した8月31日の試合でも、3点リードの8回に同点3ランを被弾している。結果として、一度は鎮火した大谷翔平のクローザー起用が、再燃しつつある。
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大きく分けて理由は2つある。
例えば、相手の8回の攻撃が3番からだったとする。ということは、9回は下位打線なので、一番信頼のおける投手を8回に投げさせた方が失点のリスクが低くなる。8回のピンチでもそうした投手を起用した方が、失点を防ぐという意味では理にかなっている。
さらに相手の主力に左打者が多く、その選手らの打順が8回に回ってくるなら、左のクローザーを9回ではなく、8回に投げさせた方がいい――という考え方も成立する。つまり、シチュエーションを考え、柔軟に投手を起用する方向にドジャースは舵を切った。
また、クローザーと長期高額契約をすることのリスクを、彼らは嫌う。
実績のあるクローザーがFA(フリーエージェント)になった場合、それまでにすでに酷使されており、投資に見合うだけのリターンを得られないということは、これまでも指摘されてきた。
24年、アストロズは5年総額9500万ドルでジョシュ・ヘイダーと契約。昨年は34セーブを挙げたが、防御率は3.80。かつての面影はなかった。今年は少し良くなって、28セーブ、防御率2.05。しかし、8月に肩を痛めると、今もキャッチボールができない状態。プレーオフに間に合うかどうか不透明だ。
ドジャースは、17年にジャンセンと5年総額8000万ドルで契約。その5年で161セーブ(失敗20)を挙げたのだから成功の部類だが、「レトロシート」という過去のボックススコアを収集し、さまざまな分析を行っている団体のデビッド・スミスによると、リードして9回を迎えたチームの勝率は約95%(1944~2003)とのこと。90%を切るのは、1点差のケースのみであり、トータルで考えれば、誰がクローザーでも90%以上の確率でセーブを挙げられるのである。であるならやはり、クローザーに大金を投じる必要はない。
だからこそ昨年のオフ、ドジャースがスコットと4年総額7200万ドルで契約したことに驚いたが、セーブ失敗は過去3シーズンで13回だったが、今季はすでに9回。夏場にちょうど1カ月、離脱もした。「ほら、言っただろ?」という声が、方々から聞こえてくる。もちろん、実力のある投手。セーブ失敗が何度も続くはずがなく、今後も起用し続ければ、最終的にはそれなりの結果を残すはず。8日は、久々にセーブをマークした。
しかし、ここまで酷い内容が続くと、プレーオフで起用できるだろうか? 残念ながら今のドジャースにはこの投手を最後に起用して負けたなら仕方がないという、誰もが納得できる投手がいない。そういう文脈であるならやはり、大谷をクローザーにという声が上がっても不思議ではない。