シダマツ、悲願のメダルで有終の美を 最後の世界選手権で鬼門となるのは?
鬼門の準々決勝がヤマ、ジャパンオープンの再現なるか
準々決勝で対戦する可能性が高いのは、7月のダイハツジャパンオープン(スーパー750)の準々決勝で2-1の逆転で破った、キム・ヘジョン/コン・ヒヨン(韓国)。再び4強進出をかけて激突するかもしれない。志田は「ジャパンオープンでは(相手の韓国ペアが)悔しい思いをしているのは分かる。自分たちがああいう(逆転の)負け方をすれば、次は絶対に負けない気持ちでとなる。(再戦しても)受けにならないように、挑戦する気持ちを忘れず、いいぶつかり合いができたらいい」と連続して同じ相手に勝つ難しさは承知の上で、積極性を失わずに臨む姿勢をのぞかせた。
世界選手権は3位決定戦が行われない。ラストチャンスで初のメダルを獲得できるかは、準々決勝で決まる。ダイハツジャパンオープンも世界選手権と同様にベスト8が最高成績だったが、ペア解消を発表して最後の挑戦で、鬼門となっていた準々決勝の突破に成功した。勝ち上がりを再現したいところだ。
厳しい世代交代を越えたエース「シダマツ」が見せる、最後の戦い
しかし、日本A代表に入った2020年に世の中がコロナ禍となり、世界での経験値を積む大事な準備期間を失い、世代交代は苦しい戦いだった。福島由紀/廣田彩花や、松本麻佑/永原和可那といった東京五輪代表が健在の中、24年パリ五輪の出場権獲得レースでは、序盤にプレッシャーで潰れそうになった時期もあった。しかし、厳しい戦いの中で成長。1番手で出場権を獲得した五輪に日本のエースとして臨み、メダルを勝ち取った。
「シダマツ」は、過去のペアにはない特長がある。ダブルスは、主導権を握ったペアが縦並びになり、守勢のペアが横並びで守る。日本では、守備力が高いペア、前後の役割が明確なペアが多かったが、シダマツは、ともにスピードがあり、テンポの早いラリーが得意だ。前衛の松山、後衛の志田が入れ替わっても攻撃力を落とすことなく、主導権争いで相手コートに押し込んでいく。前衛の松山は、特に攻撃力に優れている。相手の返球をネット前で捉える力は、世界トップクラス。後衛に回っても強烈なスマッシュをたたき込む。当初は力任せな面があったが、強・弱で相手を崩せるようにもなった。後衛の志田は、攻撃では、相手の甘い返球を生んで松山に仕留めさせる役目が多かったが、今季は自らネット前へ攻めて行くプレーも増加。また、守備ではバレエ仕込みの軟体を生かして、どれだけ体勢が崩れてもレシーブを相手コートに返す力がある。
スピード感のあるフットワークとコンビネーションの中で、互いの特長が生きれば、メダル獲得の可能性は高い。日本のエースに成長した「シダマツ」ペアの挑戦を締めくくる大会。有終の美を飾る、メダルを持ち帰りたい。