河村、比江島、渡邊が不在のアジアカップ ホーバスジャパンの命運を握る5人の若手キーマン

大橋哲也

ジャン・ローレンス・ハーパージュニア(PG/22歳/サンロッカーズ渋谷)

富樫、テーブスに次ぐ3番手PGの位置付けながら、ハーパージュニアのタフなディフェンスが流れを変える場面もありそうだ 【Photo by Takashi Aoyama/Getty Images】

 最大の持ち味はフットワークと身体の強さを活かしたディフェンスだ。その強度は福岡第一高と東海大の先輩である河村勇輝(シカゴ・ブルズ/2ウェイ契約)も認めるところで、7月の強化試合でも相手に襲い掛かるようなプレッシャーをかけ続けた。

 今大会では富樫勇樹(千葉ジェッツ)、テーブス海(アルバルク東京)に次ぐ3番手PGという位置付けになりそうだが、ディフェンス力はその2人に対して勝るとも劣らない。チームが劣勢の場面、ディフェンスから流れを変えたいときにこそ、その真価が発揮されるだろう。

 鼻っ柱の強さも魅力だ。2024年12月に行われたインカレ決勝、当時東海大でプレーしていたハーパージュニアは、劣勢の場面でコートサイドにいた観客に向かって、「ここで終わったら面白くないっしょ」と煽りながら自らを鼓舞。試合には敗れたものの、最後まであきらめることなく戦い続けた。タフなディフェンスと負けん気の強さで、チームの流れを変える役割を担えるか。

金近廉(SF/22歳/千葉ジェッツ)

196センチとサイズに恵まれ、シュートタッチの柔らかさにも定評のある金近。今大会を通してオールラウンドな才能に磨きをかけたい 【Photo by Takashi Aoyama/Getty Images】

 A代表デビューは、まだ東海大の2年生だった23年2月のFIBAワールドカップ予選にまで遡る。6本の3ポイントを沈め、チームトップの20点を記録。それまでBリーグの特別指定選手としての経験すらなかった大学生の活躍は鮮烈だった。

 その後のワールドカップ本番、昨年のパリ五輪ではロスター入りを逃したものの、常に代表候補には名を連ねてきた。そして今年7月、日本と韓国で行われた強化試合はすべて先発出場。国際大会の経験が豊富な馬場雄大(所属先未定)の合流でセカンドユニットに回る可能性はあるものの、臆することなく3ポイントを放ち続けるメンタリティはホーバスHCも高く評価している。

 デンマーク戦後、吉井裕鷹(三遠ネオフェニックス)は発破をかける意味で、「気持ちがまだまだ浮ついている」と若手に苦言を呈したが、金近自身も経験不足ゆえのミスについて、「若いからでは片づけられない問題」と反省。日本を代表する選手としての強い責任感が垣間見られた。何でもこなせる器用さに加え、泥臭い仕事もいとわない献身性も備えている。アジアの列強に対峙する中で、オールラウンドな力がさらに磨かれるかもしれない。

富永啓生(SG/24歳/レバンガ北海道)

富永は得意の3ポイントでチームを引っ張る存在になれるか。代表の中核を担うべき実力者だが、あえて若手キーマンの1人に選出した 【Photo by Takashi Aoyama/Getty Images】

 今夏はNBAサマーリーグに挑戦し、代表合流が発表されたのは7月24日。アジアカップ開幕まで約2週間というタイミングだったが、長らくホーバスHCの下でプレーしており、求められる役割は熟知している。本人が語っているように、「3ポイントでチームを引っ張る」ことだ。

 今大会においては、とりわけオフェンス面での貢献が不可欠だ。昨年のパリ五輪では、八村塁(ロサンゼルス・レイカーズ)がいたことで得点以外の働きを求められ、ディフェンスが決して得意ではない富永の出場時間は削られた。しかし今回の代表チームでは、八村、河村、比江島慎(宇都宮ブレックス)、渡邊雄太(千葉ジェッツ)と、2桁得点が期待できる選手が揃って欠場。アメリカ帰りの生粋の点取り屋が、持ち味を存分に発揮するチャンスはあるだろう。

 パリ五輪ではロスター12人の中で最も少ない平均2分38秒しかプレーできなかった。その雪辱を果たし、エースとしての役割を担えるか。レバンガ北海道でのBリーグ初参戦、そしてその先に見据えるNBA入りに向けて、今大会は重要なアピールの場となる。

(企画・編集/YOJI-GEN)

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著者プロフィール

1983年生まれ、栃木県出身。2006年から14年までバスケットボール専門誌『ダンクシュート』編集部に在籍。『DAZN』を経て、19年から楽天グループ株式会社が運営する『NBA Rakuten』のマーケティング&コンテンツ課に所属。『NBA Japan』、『Number』、『Sporting News』に寄稿経験あり。試合中はプレーよりも選手のシューズに目が行きがち

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